2008年11月アーカイブ

205. タイプ行

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 英語では、しばしば「type」とだけ書いてまとめられることのある、カード・タイプ、サブタイプ、それに特殊タイプですが、実際にその振る舞いもよく似た部分があります。とはいっても、カード・タイプと違ってサブタイプや特殊タイプはプレイできるタイミングを変えたりしません。
 よく似た振る舞い、というのは、「複数持つことがある」という点です。このような性質を持つ特性は各種タイプと色だけで、他の特性は(スタック以外の領域にある分割カードを除いて)このようなことはありません。タイプ行に関しては「氷雪・ワールド・伝説の アーティファクト・クリーチャー・エンチャント・インスタント・土地 ― 装備品・エルフ・ゴブリン・戦士・オーラ・祭殿・秘儀・山」が(理論上)ありうるのですが、たとえばカード名が「戦誉の天使・若き群れのドラゴン」になるようなことはありえません。
 これもまた色と同様に、あるタイプであるかないかを見るときは、他のタイプであるかどうかは考慮しません。「エルフ・クリーチャー」と書かれていたら、そのクリーチャーのサブタイプが「エルフ・ゴブリン」であっても当てはまりますし、「エルフでないクリーチャー」と書かれていたら、そのクリーチャーが「エルフ・ゴブリン」であっても当てはまりません。
 マジックにおいては、ある単語が複数の術語であることは(drawが「引く」と「引き分けにする」、counterが「カウンター」と「打ち消す」、blockが(戦闘で)「ブロックする」と(カード・セットの)「ブロック」などいくつかの歴史的例外を除いて)ありませんので、サブタイプはそれぞれ対応するカード・タイプに分類することができます。
 さっき例に挙げた気持ち悪いタイプ行、「氷雪・ワールド・伝説のアーティファクト・クリーチャー・エンチャント・インスタント・土地 ― 装備品・エルフ・ゴブリン・戦士・オーラ・祭殿・秘儀・山」だと、まず、氷雪、ワールド、伝説の、が特殊タイプです。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、土地がカード・タイプ。
 横線を挟んでサブタイプ群に入り、装備品はアーティファクトのサブタイプなのでアーティファクト・タイプ。エルフ、ゴブリン、戦士はクリーチャーのサブタイプなのでクリーチャー・タイプ。オーラ、祭殿はエンチャントのサブタイプなのでエンチャント・タイプ。
 秘儀はインスタントのサブタイプなのでインスタント・タイプ、と言いたいところですが、インスタントとソーサリーのサブタイプは共通で、呪文タイプと言います。で、山は土地のサブタイプなので土地タイプと、まあ、こう分類できるわけです。

 特殊タイプには、それぞれ対応するルールがあります。レジェンド・ルール、ワールド・ルール、
 ......ああ、氷雪はそうでもないです、ちょっと言い過ぎでした。氷雪は、かなり流浪のルールなのです。CompRulesが整備された当初は廃語(で、しかも未定義)。その後、キーワード能力に。そして現在の特殊タイプに落ち着いたという経緯があります。
 マジックもいい加減長いので、昔適当に作られたルールをどう厳密化させるかというのは常に頭の痛い問題なのです。

 原則では項目を分けるところですが、2日連続「ネタなし」は寒いのでまとめてやりました。通常は、タイトルだけの項番があったらそこで項を改めます。 

204. 絵

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 ......ルール上なんの意味もないこの項目について、私は何を語ればいいのでしょうか......(笑)。
 一部のカードでは言語によって絵が違うとか、そんなトリビアはこのブログの趣旨ではないし。
 書くネタがないということで、今日はおやすみです。明日はタイプ行をまとめてやりたいと思います。はい。

203. マナ・コストと色

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 これは簡単。
 カードの右上(「ミライシフト」カードを除く)に書かれているマナ・シンボルの合計がマナ・コスト、それを、色を考慮せずに数えた合計が点数で見たマナ・コスト、マナ・コストに含まれる色がそのオブジェクトの色。混成マナ・シンボルを含む場合の点数で見たマナ・コストは、一番大きい値として読みます。
 「[このオブジェクト]は赤である」とか書かれている一部のカードは例外になりますが、「カードはルールに優先する」という黄金律通り、当然にその記述を優先することになります。

 あと、マナ・コストを持たない呪文は、プレイできません。存在しないコストは支払うことができないのです。ちょっと先取りで飛躍してしまいますが、変異能力を持たないパーマネントが裏向きになっている場合にも同じことが言えます。
 ......でも、点数で見たマナ・コストは「未定義」じゃなく「0」なんですよね。

 他によく誤解されるところで言うと、無色や多色は、それぞれ該当する色がマナにはありませんから、パーマネントの色にはなりません。「無色のパーマネント」という言い方はしますが、それは「白青黒赤緑のどの色でもないパーマネント」という意味です。え? アンヒンジド? あれは総合ルールの範疇外ですから......。

 あとは追加コスト。これはマナ・コストの一部ではありません。ですから、点数で見たマナ・コストの計算にも入りません(《虚空の杯/Chalice of the Void》[MRD]vs《三なる宝球/Trinisphere》[DST])し、色にも関係しません。

 ......「これは簡単」とか言いながら、結構な量のネタがあったらしいです。

202. 名前

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 名前、いわゆるカード名です。
 カードの文中でそのカードの名前が出てきた場合、「~という名前のカード」という書かれ方でない限り、そのカード自身のことだけを指し、同名の他のカードのことは指しません。
 《天空の先達》の誘発型能力「天空の先達が場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受けるとともに飛行を得る。」は、場にいる《天空の先達》が他の《天空の先達》が場に出るのを見たとしても、誘発しません。
 同様に、あるいはその逆に、《発奮する巨人》の起動型能力「発奮する巨人以外のあなたがコントロールする赤のクリーチャーを1体タップする:発奮する巨人はターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。Xはこれによりタップされたクリーチャーのパワーに等しい。」は、《発奮する巨人》が2体並んでいた場合には、お互いに相手をタップしてパワーを上げることができます。
 で、なんでこの項目に入っているか判らない、けれども重要なルールがrule 202.2aです。「クリーチャー1体を対象とする。それは+2/+2の修整を受ける。ターン終了時に、そのクリーチャーを生贄に捧げる」といった能力は無数にあり、ターン終了時までにそのクリーチャーがクリーチャーでなくなっている場合もよくあります。その場合にも、そのクリーチャーだったものはこの能力の影響を受けるのです。対象のルールや誘発条件のルールとは逆なので、混同しないようにしましょう。
 

201. 特性

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 「特性」。一般的な日本語だと、"その人(物)だけが持っている、すぐれた能力や△性質(性能)三省堂 『新明解国語辞典 第五版』より"を意味しますが、マジックではもうちょっと特殊な意味づけがなされています。
 大雑把に言ってしまうと、そのカード自身に書かれている情報(トークンや呪文のコピーならそれを生成した効果によって与えられた情報。変更された場合には変更された後の情報)を特性と言います。
 コントローラー、オーナー、タップしているかどうか、反転しているかどうか、裏向きであるかどうか、上に乗っているカウンターの数、などは、それによって特性が変わることはあっても、それ自体は特性ではありません。カードには書かれていないでしょう?
 あ、上に乗っているカウンターの数の中で唯一特性として扱われるモノがありました。プレインズウォーカーの持つ忠誠カウンターの数(=忠誠度)。右下に忠誠度自体は書かれていますから、「そのカード自身に書かれている情報」には間違いないんですけどね。

200. 原則

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 原則というか、名詞の定義です。
 普通の言葉の「カード」と、マジックの「カード」は意味が違います。マジックでは、「アメリカン・エキスプレス」とか「VISAカード」とかは適正な「カード名」ではありません。あまりに当然の話なのですが、ここでいろいろと定義されています。
 「オーナー」は法律上の所有者とは関係ありません、とか、「プレイヤー」と言ったときに他のゲームの参加者のことは指しません、とか。
 ここで定義されている言葉の指すものが一致していないと、プレイ中にも会話が成立しない危険性があります。たとえば、「パーマネント1つを対象とし、それを破壊する」と言ったときに手札のカードを捨てさせることはできません。......いや、笑い事じゃなく、昔見たことがあるんですよ、これ。
 あと、呪文や能力のオーナーやコントローラーが通常誰であるのかもここで書かれています。大体直感通りだと思いますが、ざっくり目を通しておいた方がいいかもしれません。たとえば、誘発型能力が誘発した後でその発生源のコントローラーが変わったとしたら、誰がその誘発型能力のコントローラーなのか、とか。

 ところで、このブログのもう一つの意図が今回ようやく発揮できました。誤訳・誤字・曖昧訳の解消です。今後もやっていきますのでよろしく。

104. 数とシンボル

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 2種類の直接関係しない内容が一緒に入ってるのが気持ち悪いですが、それはさておき。
 マジックでは「数」と言ったら原則として0以上の整数です。これも「そういうもんだ」と理解してください。で、計算によってマイナスの数が出てくる場合がありますが、パワー、タフネス、ライフ総量でない限りは0に丸めてしまいます。他に、計算の途中で未定義の数を使う場合も0に丸めます。
 マジックでは、いろいろな記号(シンボル)を使います。マジックの代表的なシンボルといえば5色のマナ・シンボルですが、灰色の丸がついた数字も無色マナ(あるいは不特定マナ)を意味するシンボルです。
 丸数字のシンボルといえば、「あなたのマナ・プールに{1}を加える」ときの{1}と、「{T},{1}:カードを1枚引く」というときの{1}の意味はよく似ていますが真逆です。前者は「5色のどれとしても使えない」マナ1点を意味し、後者は「5色のどれでも(あるいは5色のどれでもないものでも)いい」マナ1点を意味します。無意識には理解していたと思いますが、気づいていましたか?
 他にもマナ・シンボルには混成マナや氷雪マナを意味するマナ・シンボルがあります。
 それから、忘れてはいけないタップ・シンボル{T}とアンタップ・シンボル{Q}。この「{T}」「{Q}」という書き方はルール文書特有のもので、カードでは、タップ・シンボルは灰色に白で下から左を回って右まで、アンタップ・シンボルは黒地に白で左から下を回って上までの、それぞれ曲線の矢印で表わされます(画像を入れたいところですが、自粛します(笑))。
 あとはプレインズウォーカーの能力の起動コストも、それ専用のシンボルで表わされています。

103.マジックの黄金律

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 ルールの根幹、これがなければこの後の細かなルールはまったく意味をなさないと言えるルール群「黄金律」です。
 まず「カードとルールではカードが優先」というこれ、パッと聞くと何のことだか判りませんが、考えてみれば当然のルールです。「カードを1枚引く」という効果を持つカードがあった場合、もしルールが優先されるなら、そのカードの解決時にカードを引くなんて状況はありません。カードを引くのは、ドロー・ステップの開始時だけです――そうでしょう?
 次、「できる-できない」のルール。これもそうしないと意味を持ちません。「できない」と書かれているものは「できない」のです。「あなたはライフを得ることができない」という効果がある下で、「ライフを得る(ことができる)」という効果が発生した時に「できる」が優先されるなら、「できない」という記述には何の意味もなくなってしまいます。
 それから、APNAP順ルール。しばしば関係ないときにも「APNAP」という表記がなされて混乱を招きますが、APNAP順ルールとは「複数のプレイヤーが同時に選択を行なう場合、アクティブ・プレイヤーが先に選択し、その後で非アクティブ・プレイヤーが選択する」というルールです。効果の適用順などには関係ありません。これに関連して、「選んだカードが即座に公開されるとは限らない」(公開領域にあったカードなら公開されたままです)「プレイヤーは、それ以前になされた選択を知った上で選択できる」というルールもここで定義されています。
 たとえば両方のプレイヤーが同時に手札からカードを捨てる場合、まずアクティブ・プレイヤーが手札から1枚を裏向きで提示し、非アクティブ・プレイヤーも同様に裏向きで提示し、その後で両方のプレイヤーが同時にそれらを自分の墓地に置く、という手順になるわけです。 

102. 勝ちと負け

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 勝ちと負け。
 マジックでは、相手が負けたら自分の勝ちになります。
 自分が勝ちになる、という効果を持つカードもありますが、原則はそういうことです。
 投了は「ゲームから離れ、負けになる」となっています。これは、《白金の天使》などの「負けにならない」効果の存在下で投了する場合の処理のための記述です。
 あと、「無限ループ」による引き分けのルールがここですね。
 まあ、一体何が無限ループなのか、というのはルール・グルの間でも未だに一致を見ていない部分なのですが。たとえば、誘発型能力によるループで、どちらかのプレイヤーのライフが1点ずつ減っていくようなものは引き分けになるループなのか、とか。

101. ゲームの始め方

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 いよいよゲーム本編に入っていきます、が、その前にゲームの始め方。
 ここの部分の厳密なルールを知らない人は、ときどき見かけます。
 大会でも、相手のデッキをシャッフルできる(GPT以上の大会だとシャッフルしなければならない)ことを知らない人はたまにいますし、「相手が私のデッキをシャッフルした!」という人も、さすがに最近は見かけませんが、数年前はちらほらいたような気がします。
 何にせよ、ライブラリーをほぼ完全にランダムにするのは面倒でも必ずするようにしましょう。2-1の「オマジナイ」とかやってもいいですが、その後で、やったのが馬鹿らしくなるぐらい何度も、複数の方法でシャッフルをするのがいいでしょう。
 普通のシャッフル(ヒンドゥー・シャッフル)、配るタイプ(ディール・シャッフル)、角を当てて押し込む形(フェロウ・シャッフル)、どれも一長一短があり、イカサマもできてしまいます。個人的には、デッキを組んだ後でディールを1回して、対戦前などのシャッフルではフェロウとヒンドゥーを交互に数回ずつするのがおすすめです。
 ......おお、なんかCRの話から外れちゃいましたね。

100. 原則

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 一般に、マジックは2人だけのゲームじゃないですよ、多人数戦もありますよ、と。ただし、何人でやるにせよ、構築環境は必ず60枚以上のカードからなるデッキが必要で、基本土地カードを除く同名カードは4枚までしか入れてはいけません。
 リミテッドなら40枚以上で、同名カードの枚数制限はありません。
 デッキのほかに、カウンターやトークンのためのチットや、ライフを示す方法の準備が必ず必要です。
 トーナメントに参加するにあたってのルールは、総合ルールではなく「マジック・DCIフロアルール」を参照する必要があります。

 と、まあ、常識的な話が書かれているだけです。総合ルールのほとんどの部分はこんな常識的なことで埋まってると言っても過言じゃありません。

0. はじめに

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 端書きに代えて、「はじめに」の解説を。
 ここにも書かれているとおり、ほとんどの場合においてこの総合ルールは必要ありません。牛刀を以て鶏を割くようなもので、たいていは基本ルールブックで用が足ります――とまで言うと言い過ぎです。
 実際には、たとえば継続的効果や置換効果の相互作用、条件付きの誘発型能力など、基本ルールブックに書かれておらず、かつ実際のプレイで頻出する状況が存在します。
 仲間内で遊ぶ分には、間違ったルール解釈でもそう問題は起こらないかも知れません。でも、それは問題が表に出ていないだけで、正しいマジックをプレイしているとは言えません。それに、将来、あるいは今日、大会に出たときにどうなるでしょう?

 だからといって、この膨大な――テキストであるにも関わらず、500kB近くある――文章を全部読んでからでないとマジックをプレイできない、なんてことはありません。さっきも言ったとおり、基本ルールブックで十分な局面は多いのです。
 では、どうしたらいいでしょう?

 文章を読む時を想像してください。日本語なら、ほとんどの単語は判ります(よね?)。でも、時々判らない単語が出てきたらどうしましょう。
 そう、辞書を引けば解決します。

 そして、この総合ルールは、マジックのゲーム・ルールにおける辞書なのです。
 そう考えたら、この膨大なテキストが、むしろ頼もしく見えてくるのではないでしょうか。

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