Exemplar 推薦文のガイドライン

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この記事は、2016年6月に書かれた、 Bryan Prillaman のブログ記事を翻訳し、注釈を入れたものです。

現在、Exemplar は wave 7の選定期間に入っており、うまくすればクリスマスにはカードをお届けすることができる手はずになっています。私は現在 Exemplar チームの一員になっており、皆さんの推薦文を選定させていただいております。

その中で、いくつか残念なことに、推薦文として体をなしていないものが増えてきました。以前にも記事や啓蒙は行われてきましたが、今一度、皆さんにしっかり理解していただきたいと思います。


皆さん、こんにちは。

今日のブログ記事では、Exemplarチームが推薦文(nomination)を評価するためのガイドラインについて説明します。

説明を始める前に、なぜもっと詳しく解説するのかを前置きしたいと思います。 主な目標は、私たちが求めていることを推薦者に知ってもらうことです。 推薦者が、何について期待されているかを知っているなら、推薦文を書く際にその情報を有益に使うことができます。結果として、より影響力がある推薦文になるでしょう。

さらなる目標は、自らの推薦が「延期」(*訳注1)となる理由を理解しやすくすることです。 以前にもお知らせしたとおり、「延期」された推薦文は提出されたウェーブには含まれません。代わりに、次のウェーブに推薦枠が追加され、候補者を推薦し直すことができます(または他の誰かを推薦してください! )。 しかし、あなたの推薦が、なぜ「延期」されたのかわからなければ、「やり直」したとしても、あまり効果がありません。 このブログの記事はそのような点で役に立つでしょう。

*訳注1
Exemplarチームが推薦文を評価する際には、最終的に以下の判断が下されます。
 ・適正/Accepted -- その推薦文はExemplarとしてふさわしいものである。
 ・延期/Diferred -- その推薦文は何らかの理由でExemplarとして認められないものである。
 ・異議/Disputed -- その推薦文では認められないが、さらなる調査が必要なものである。
「延期」になった推薦文は、現在のwaveでは認められず、次のwaveで枠が増えます。
「異議」になった推薦文は、Exemplarチームからメールが送られ、推薦文の調査及び再提出が行われます。

推薦文のガイドライン

推薦文を評価するときには、4つの主な基準があります:

 ・どのように具体的な内容であるか。
 ・認識されている 行動/振る舞い が、どれほど 望ましい/賞賛 できるか。
 ・行動/振る舞いの関連性
 ・推薦文自体の表現方法


具体性

私たちは、ジャッジが推薦文を読み、ジャッジが意義のある行動を何度も繰り返していることを知るようにしたいのです。 これらの推薦文を読んだジャッジが、「これは私も見習うべき振る舞いだ」と感じるのは、大変な意義があります。 推薦文が公開されている理由の1つはこれです。 推薦文があいまいならば、この目標を達成することは難しいでしょう。

具体的な推薦文はまた、肯定的な評価を強化してくれます。 推薦文があまりにも漠然としている場合、その推薦文を受け取った人以外には、何をしたのかが分からないのです。 具体的な推薦文はより意味があり、永続的に良い影響を与える傾向があります。

最後に、具体的な推薦文は、Exemplarチームが他の基準でその文を評価するのに役立ちます。 その人が何をしたのかわからなければ、他の基準を用いて評価することはできません。

推薦文があまりにも漠然としているかどうかを判断する一つの方法は、読者がそれを読んだ後にどれくらい多くの疑問が出るかを確かめることです。 推薦文を読み、「候補者は何をしましたか?」などといった疑問が出るのなら、問題がある可能性がある、と指摘します。 例えば以下のような推薦文を見てみましょう:

『最近のあなたが努力して取り組んでいる活動は模範的であり、あなたの存在を地域コミュニティーに強く印象づけるものです。 このまま良い活動を続けてください!』

まず、「このまま良い活動を続けてください!」という文章は無視します。 それは私たちにとって意義がない部分です。 残りの推薦文は、地域コミュニティーにおけるプレゼンスを高めるための「努力」のためのものです。 しかし、どんな存在を示しましたか? 候補者は何かに力を入れました。 どんな活動をしましたか? 地域コミュニティの方はより地元の店に居つくようになりましたか? あるいは、実際に何らかの形で変化を起こしていましたか? 結局何をしましたか? もうおわかりのように、この推薦文は、より多くの疑問を読者に残しています。

良い推薦文は、より詳しい情景が描かれています。

『数ヶ月前にジムは、自信に関して深刻な問題を抱えていました。 FNMでの彼のアナウンスは声が小さく、プレイヤーは彼を無視するようにおしゃべりをしていました。彼は色々と葛藤をしていました。この問題を解決した方法は、たちの悪いプレイヤーと話をして、イベントに良い変化を与えるようにすることでした。 同時に、彼はHJアナウンスを練習し始め、より大きな声で、より自信をもつようになりました。この出来事で、地域コミュニティはジムに一目置くようになりました。』

これら2つの推薦文は、実際に起こった事としては、どちらもほぼ同じ内容を示した推薦文です。 最初の推薦文では、読者はどのような努力がなされたのか分かりませんし、ジムが何をしたのかわかりません。 2つ目の推薦文では、ジムの問題点とその克服方法を正確に描写しています。 2つ目の推薦文は、同様の問題に遭遇している可能性があるジャッジに改善の糸口を与え、ジムは推薦者が自分の努力に気付いていることを誇らしげに感じることができます。


望ましい/喜ばしい

推薦文での行動/振る舞いは、他人が行うことを奨励するものです。 これまでにこのような行為を示していないジャッジが、このような振る舞いを行うことは「良いこと」であるとみなされます。 どのような振る舞いが良いことであるかどうかの判断が必要ですが、それは私たちで決める必要があるものです。 推奨される行動や振る舞いは、ジャッジが誰でもできるというものではないか、または期待される以上の出来事が挙げられます。ジャッジ・レベルはこの判断に際して考慮されますが、あまり重視してはいけません。これには、イベントやイベント外でのジャッジ活動のすべての役割における振る舞いが含まれ、プロジェクト(*訳注2)での作業やジャッジプログラムでの補助活動も含まれます。

*訳注2
ここでの「プロジェクト」は、Appsでのプロジェクトを指します。公開、非公開は区別されませんが、非公開のプロジェクトでの活躍の場合、相応の理由が必要でしょう。

良い推薦文は、すべてのジャッジへ、何らかの目標に向かって努力するための例として、公に掲げることができるものに対して書かれています。 通常、活動自体に加え、活動に関していかに参加しているかという熱意が込められています。

『バラバスが地元の店舗でジャッジを始めたとき、私は心配していました。その店はあまり良くない噂が絶えないことで話題になっていたからです。しかし、彼はこの店を変えることが次の課題になると判断しました。数か月にわたり、バラバスはゆっくりと店舗の方針を変更することができました。バラバスは、厳しい処罰によるしっかりとした教育に焦点を当てることで、以前のお客を失うことなく、すべてのプレイヤーのために店を歓迎する場所にすることができました。』

この振る舞いがなぜ望ましいのかは、分かりやすいはずです。バラバスは自分が関わる店の環境を変えるだけでなく、正しい方法でそれをやりました。

これに対し、容認できない推薦文とは、特に賞賛に値しない行動や、ジャッジの基準に沿う行動に対する推薦文です。

『L1試験に合格おめでとうございます。よく学び、準備し、見事に合格しました。 私はあなたがこれからの未来に何を行うかを楽しみにしています。』

この推薦文は、レベル1試験に合格したことが書かれています。認定ジャッジそれぞれはこれを達成しているはずで、ほとんどは合格するために勉強しなければなりませんでした。つまり、ごく当然のことです。模範的な行動の基準値は、デフォルトの期待値または要件よりも高くなければなりません。

appsのフォーラムは何らかのヒントになることもあるでしょう。 私たちがExemplarとして望ましい/賞賛に値するものとは考えていない、以下のものがあります:

無償奉仕またはボランティア -- 給与を伴わない非慈善活動は、ジャッジが見習うべき行動としてはいけないものです。 私たちは、Exemplar推薦文へ至る道程が、ジャッジの努力を遠ざけるように感じさせたくはありません。 Exemplarは、TOが給与を支払わない場合の、ジャッジ報酬の代替手段ではありません。 プログラムに関わるジャッジの中には、TOや他のジャッジがただ働きをするような圧力を感じる人もいますが、Exemplarプログラムはその圧力に加わることはありません。

イベントでの働き -- ジャッジはジャッジをします。それはまさしく私たちが行うことです。 多くのイベントで働くことは、それ自体では、奨励されたりされなかったりするものではありません。 私たちは優秀性を認識したいと思っています。多くのイベントを遂行することは、優秀性のための多くの機会につながりますが、それ自体は卓越したものではありません。(*訳注3)

*訳注3
ここでいうのは、イベントを単に多くこなしているだけでは、Exemplarたり得ないということです。もちろん、多くこなしているのはそれなりの理由があり、また、よりよくイベントをこなすために気にかけていることがあるはずです。それこそが"優秀性/excellence" であり、Exemplarに値します。

しばしば、これらの項目は1つの推薦文にまとめられています。

『ジェシーは非常に多くのイベントに参加しています。この地域が彼女なしでイベントをやっていくことはできないでしょう。彼女は非常に多くの週末を犠牲にし、夜遅くまで長い時間かけて運転し、補償もほとんどありません。 コミュニティへの彼女の献身は模範的なものです。』

この推薦文は『延期』にあたります。気持ちの上では申し訳無いと思います。ジェシーは悪い環境にあり、彼女へのうしろめたい気持ちがあるので、彼女の行動に対して彼女に対し推薦文を書くのは好意的に見えますが、それはExemplarには適切ではありません。『延期』された推薦文の枠を使って、次のwaveには、以下のような推薦文を書くことができます。

『ジェシーはタウンズビルから片道2時間圏内にいる唯一のL2であり、地方のPPTQで過労していました。 しかし、彼女はTOとどのように苦労しているのかを話し合い、トレーニングの目的でスタッフにL1として動いてもらう計画を立てました。 ジェシーはいくつかのイベントで2人のジャッジ候補生と一緒に働いていましたが、現在、タウンズビルには2人のL2がいるようになりました。さらに、彼女は地域の節約好きなTOの1人と、実りある相談をし、ジャッジへの補償が適切になされるようにしました。』


この例では、私たちは悪い状況で苦しんでいるジェシーを認めたわけではなく、問題を特定し解決したという点で、彼女を推薦しています。


関連性

推薦文は、ジャッジ・プログラムに関連していなければなりません。 これは、行動や振る舞いがジャッジまたはジャッジ・プログラムに直接的な価値をもたらすことを意味します。関連性と、(ジャッジとして)望ましい/賞賛される行動、という間には概念的に重複がありますが、私たちは両方の推薦者を募集しています。関連する行為とは、次のように要約することができます:ジャッジは、その行為を行ったり、起こしたりすることで、ジャッジが行うべきことをし、他のジャッジやジャッジ・プログラムにプラスの影響を与えます。(*訳注4)

*訳注4
ここでいうジャッジ・プログラムとは、各ジャッジがどのように活動するべきか、ジャッジにどのような期待がされているかといった方針を指します。主なもので一番わかり易いものは、ジャッジ・レベルです。( http://blogs.magicjudges.org/o/judge-levels/ )


以下に挙げる優れた推薦文は、その行為が何であるかを教えてくれるだけでなく、行動/振る舞いがジャッジ・プログラムまたはジャッジ・プログラムと関連してジャッジ・プログラムにどのような価値をもたらしたかを記述してします。

『エリックは、Judge Appsに掲載されたトーナメント・レポートにおいて、すべての一般的なトーナメントの良い試みを収集し、それらをブログ/ウィキにまとめました。これにより、他のジャッジが地元のイベントで試みを無駄に行わないようになり、素晴らしいことです。』

『シュゼットは、私にとって驚くべき影響を与えてくれました。 彼女は、ルールだけでなく、トーナメントオペレーション、プログラムの内容など、私と話し合うために多くの時間を費やしてくれました。 私が質問をし、彼女が答えを知らない場合、彼女はどこかで答えを得て、教えてくれました。 彼女は私が質問するときに私を馬鹿にすることはしませんし、私が理解するまで説明を行ってくれました。』

容認しがたい推薦文は、ジャッジまたはジャッジ・プログラムとの関連性が単に「ジャッジであること」のみの場合です。TO活動に関係するトーナメント主催者への推薦文も、ジャッジが通常行う「サービス」のすべての推薦と同様に、このカテゴリーに該当します。(*訳注5) 推薦文に関連する要素と関連していない要素の両方が含まれている場合は、どの要素がより大きな焦点を持っているかを判断し、それに応じて処理をします。

*訳注5
ジャッジがジャッジ活動をするのは普通です。これと同様に、TOがTOの活動を行うのは普通です。なので、単なるTO活動を推薦文に書いても認められません。ご注意ください。

TOでの推薦文は難しいです。 多くのTOはジャッジでもあるため、重複している要素が多くありますが、Exemplar Programはジャッジがジャッジを認めることです。 ジャッジがTOとして動いたことや、店舗を清潔に保つこと、PPTQの予定を立てるためにジャッジと働くことは、「ジャッジ活動」ではなく「TO活動」です。(*訳注6)

*訳注6
言い換えると、「ジャッジでないとできない活動」を、チームは推薦するように望んでいます。プレイエリアを清潔にすることも、時間割の割り振りも、重要ではあると個人的には考えますが、それらはTO活動に当たります。いずれにせよ、TOでの推薦文は難しいと思ってください。

もうひとつ、私たちが容認しがたいと考えている項目があります。それは「サービス」の推薦文です。 例えば「私のために一夜の宿を貸してくれてありがとう」「空港から私を連れてきてくれてありがとう」「私のために街の案内をしてくれた」といったものです。 Exemplarの推薦文はあなたのお金を節約したという評価ではありません。 彼らに感謝したいなら、あなたは彼らに食事を奢ったりすることで感謝を示せます。友人のために何かをするというのは、友達であるならばごく普通に行われることです。

『私の犬が亡くなった日、私の家まで2時間かけて運転してきて、ウイスキーを一瓶くれました。彼は私に深い思いやりと友情を示してくれています。』

『空港から私たちを迎えてくれてありがとう。 限られたGP旅行予算で時間とお金を節約できました。 あなたのおもてなしと友情はプログラムにとって大きな資産です。』


表現

このカテゴリは、ジャッジが推薦された行動とは関係のないメタ・カテゴリのほうが多く、推薦文を書いた人がそれをどのように表現しているかを判断します。推薦文は公にされるものであり、私たちのグループを代弁するものです。私たちは推薦文が提示されることを望んでいます。

軽微な文法上の誤りは、問題とはなりません。軽い冗談は許されますが、推薦文自体を茶化すようなものであってはなりません。 基本的には、以下の容認できないリストの項目を避けている限り、推薦文は問題ありません。

容認できない推薦には、以下の1つ以上が含まれます:

  • 過度の冗談
  • 侮辱または侮蔑的な表現
  • 冒涜的、または罵倒句
  • 同一wave内でのコピー/ペーストで形成された推薦文(*訳注7)

*訳注7
例えば、容認されるような語句を用いて推薦文を書き、名前の部分だけを変更して投稿した場合、「全ての」コピー/ペーストでの推薦文が容認されません。なぜなら、推薦文は個別に推薦される行動があるはずで、それが全員同じであるとは考えづらいからです


おわりに

この記事は、優れた推薦文の要素と避けるべき点を、我々の立場から説明してきました。参考になれば幸いです。チームは現在、waveによせられた推薦文をチェックしています。 私はそれらをリリースすることを楽しみにしているので、皆さんにも、それらを読むことを楽しみにしていることを願っています。


原文) http://blogs.magicjudges.org/exemplar/nomination-guidelines/

訳、訳注) testing 

20160408 IPG/MTR 変更点まとめ

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『イニストラードを覆う影』リリースによる、IPG、MTRの変更点をまとめました。以前のTobyの記事と重なる部分も多いですが、よしなに。


IPG更新:

IPG 1.4. (巻き戻し)

誤りが十分に明確である場合、違反の分類ににも寄りますが、ゲームを正常な状態に戻すために必要な処置として単純な巻き戻しが認められることがあります。
今回の更新で、巻き戻しに関わる行動のうち、無作為な要素が含まれる場合、それは「単純な巻き戻し」には当たらない、とされました。

実際の現場では、ゲームの状況を巻き戻す可能性を考慮した際に、「無作為な要素」、例えば、対象をランダムに選んだり、本来あるべき領域がライブラリーの無作為な位置であったりした場合、それは「単純な巻き戻し」には当たりません。従って、他の追加措置を考えるべきです。

IPG 2.1. (ゲーム上の誤り - 誘発忘れ)

誘発型能力を忘れてしまうことは多々ありますが、その「忘れた」という判断がどの時点でなされるのか、ということがこの項目で定義されています。

今回の変更点は2つです。

1つ目の変更は、「ゲームの局面に視覚上わかる(ライフの総量を含む)変化を起こす、あるいは解決時に選択が必要になる誘発型能力」を「忘れた」ことにしないためには、期限よりも前に物理的行動を行うか、その特定の誘発型能力が誘発したことを示さなくてはならなくなりました。

これの例としては、複数の誘発型能力が絡みあう場合が挙げられます。
《ジェスカイの隆盛》を例に挙げましょう。あなたがクリーチャーでない呪文を唱えて、《ジェスカイの隆盛》の2つの能力が誘発します。

 ・「ゲームの局面に視覚上はわからない影響を及ぼす」誘発型能力(=「あなたのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」)
 ・「ゲームの局面に視覚上わかる変化を起こす」誘発型能力(=「カードを引いて1枚捨てる」)

上の能力はあなたのクリーチャーのP/Tが関係するまでは「忘れた」ことになりませんが、下の能力は、あなたがその誘発型能力を解決した後でしかできないこと(例えば、ソーサリーを唱えたり、誘発元になった呪文を解決したなど)を行ってしまうと、「忘れた」ことになります。これを避けるためには、あなたは先にカードの処理を行ったり、または「《ジェスカイの隆盛》の能力が誘発しました」と知らせる必要があります。

2つ目の変更は、視覚上の効果を伴わない誘発型能力に関してです。この類の誘発型能力に「してもよい」という選択肢が存在し、かつ、この能力の誘発を示したとします。その場合、そのプレイヤーは、解決時に「してもよい」選択肢に対して(肯定的に)「行った」とみなされます。ただし、対戦相手の対応があった場合はその限りではありません。

この例としては、《エルドラージのミミック》が挙げられます。このカードの持つ誘発型能力は、視覚上は何も変わらず、解決時に「してもよい」という選択肢があります。あなたが《エルドラージのミミック》をコントロールしていて、あなたが《現実を砕くもの》を戦場に出した場合を考えましょう。あなたは《エルドラージのミミック》の能力が誘発したことを示します。その後、何もなければ、《エルドラージのミミック》は5/5になります。もし対戦相手が対応して《四肢切断》を《現実を砕くもの》に対して唱えた場合は、何も示さなかったとしても《エルドラージのミミック》が.0/0になるわけではありません。

IPG 2.2. (ゲーム上の誤り - 過剰なカードを見た)

〔過剰なカードを見た〕ことに関しての定義が少し変更されました。これまでは、デッキから離れたそのカードが手札に触れるかどうかがポイントでした。が、これは変更され、カードがデッキから離れ、「カード群」......つまり、ゲームにおいて物理的に分かたれているカードの集まり......に触れるまでの間であった場合、〔過剰なカードを見た〕と分類されます。

もし、カードが他のカード群と合わさったのなら、それは〔非公開カードに関する誤り〕や、や〔その他一般のゲームルール抵触行為〕で扱われます。


IPG 2.3. (ゲーム上の誤り - 非公開カードに関する誤り)

〔非公開カードに関する誤り〕は、新しい概念でしたので、他の違反とごっちゃになっていることがありました。今回の更新では、いくつかの状況において、〔非公開カードに関する誤り〕なのか、それともそうでないかを明確化しています。

先の〔過剰なカードを見た〕でも有りましたが、「カード群」という概念がここでも出てきます。〔非公開カードに関する誤り〕の定義は、「いずれか一方のプレイヤーにしかその表がわからないカードが、その誤りの前後両方とも非公開のカード群に含まれていた場合にのみ適用される」とものです。

先の〔過剰なカードを見た〕と、定義が異なることに注意して下さい。カードを引いた時にカードがくっついてしまっていた場合や、ライブラリーを崩してしまった場合は〔非公開カードに関する誤り〕には該当しません。

また、カードが公開領域に置かれていた場合、正常な状態がわかるので、その違反は〔その他一般のゲームルール抵触行為〕で処理することになります。カードの表が1人のプレイヤーにしか見えていない場合、そのカードが(ライブラリーの一番上にあった、手札がそれ1枚だけであったなど)明確に区別できる位置にない限り、カードの正常な状態は決定できません。

非公開のカードを伴った誤りは、完全な修復は不可能です。しかし、そうかといって、この違反を、例えば緑マナで《渦まく知識》を唱えたなどの、公開情報で修正できる誤りから派生した修正不能な状況に適用しないように注意してください。この場合は、違反は元になった問題に基づいて処理されます。つまり、間違いの大元は《渦まく知識》を唱えられないマナで唱えたことですので、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕となります。

追加措置に関して、誤りに影響したカード群を公開することになりますが、その際に、「対戦相手が知り得た」情報について、カード群を考慮して構いません。また、カード群は可能な限り最小のカード群を扱う必要があります。場合によっては、定義されたカード群の一部だけを公開する、ということもあり得ます。例えば、プレイヤーが《集合した中隊》を解決し、まず片手で3枚、続いてもう一方の手で4枚のカードを見たとしたら、この違反を起こしているのは後半の4枚のカード群に含まれるカードであり、それらの4枚のみ公開し、余計なカードが取り除かれるべきです。

追加措置は、これまでとは異なり、かなり段階的なものになります。落ち着いて順番に処理を行いましょう。mjmj訳文を引用しながら、説明を行います。

この違反の直後に、例えば捨てる、ライブラリーの一番上に置く、土地をプレイするなどで当該セット群から既知の場所へカードが移動していた場合、この違反の直後の時点までの単純な巻き戻しを行ってもよい。

手札から対戦相手も知ることができる場所にカードが移動していた場合、それは過剰なカードを引いた状態の手札からカードが動いたので、そのカードは本来手札にあるべきカードではなかったのかもしれません。

例を出しましょう。2枚引くべきところを3枚引いてしまい、土地をプレイしたところで気づいたとします。本当に引いたカードの中に土地があって、土地カードをプレイすることができたのでしょうか? それは本人しかわかりえないことです。しかし、その土地カードは手札から出たことはわかっています。ということは、この土地・カードは問題となるカード群に含めることができます。ジャッジは巻き戻しを行い、その土地・カードをプレイヤーの手札に戻す、ということを行っても構いません。


問題を含むカード群が既に存在していない場合、追加措置は行わない。

これは簡単な話です。問題となるカード群がありませんので、追加の措置も行いません。


この誤りによってカードが適正な時期よりも早くカード群に含まれ、そのカード群のカードを含む他の処理を先にしなければならなかった場合、そのプレイヤーは過剰なカードを含むカード群を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカードを必要な枚数選ぶ。それらのカードを、それらのカードが適正に追加されるべき時点まで脇に置き、それからそのカード群に戻す。

例を出しましょう。「カードを1枚捨てる。そうしたなら、カードを1枚引く」という効果を行う際に、「カードを引いてから捨てた」ことをしてしまった場合を挙げましょう。

カードを引いてしまったことにより、カードが適正な時期(=カードを捨てた後の時点)よりも早くカード群(=手札)に含まれました。本来はそのカード群(=手札)のカードを含む他の処理(=カードを捨てる)を先にしなければなりませんでした。

プレイヤーは、過剰なカードを含むカード群(=手札+既知ならば捨てたカード)を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカード(それまでに手札を見ていたり、公開されていたなどの理由で、既知である場合があります。それらのカードは手札にあったと判断されるべきです)を必要な枚数(=1枚)選びます。このカードは本来その処理をする時点では、そのカード群に存在しなかったものとして扱われます。それらを脇に一旦置きましょう。

その後、残ったカード群に対して必要な処理(=1枚捨てる)ことを実行します。そして、先ほど脇においたカードが適正に追加されるべき時点になりました。そのカードを、カード群(=手札)に戻しましょう。

これで完了です。「本来そのカード群にあるべきカード」に対して措置を行うことに注意してください。

カード群にあるべき枚数以上のカードが含まれている場合、そのプレイヤーは過剰なカードを含むカード群を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカードをカード群の枚数を適正まで減らすために必要な枚数選ぶ。その選ばれたカードは過剰なカードとして処理する(後述)。

単純に手札を1枚多く持ってしまっていた場合はこれになります。カード群(この場合は手札)を公開し、対戦相手は必要な枚数(この場合は1枚)を選びます。その際に、選ばれるカードは対戦相手が知り得なかったカードである必要があります。こうして選んだカードが「過剰なカード」として処理されます。これに関しては後述されます。


公開するべきカードに関する誤りの場合、そのプレイヤーはその公開されなかったカードを含むカード群を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカードを必要な枚数選ぶ。それらは、必要な処理の上で公開されなかったカードとして扱う。選ばれたカードが結果としてそのカード群に適正に存在しない場合、それらは過剰なカードとして処理する。

《ドムリ・ラーデ》などの公開するべきカードを公開せずに手札に入れてしまった場合はこれになります。公開されなかったカードを含むカード群(=手札)を公開し、対戦相手は必要な枚数(この場合は1枚)を選びます。その際に、選ばれるカードは対戦相手が知り得なかったカードである必要があります。選択したカードは、《ドムリ・ラーデ》によって公開されるべきカードであった、と扱われます。

《ドムリ・ラーデ》はクリーチャー・カードを公開する必要がありますが、対戦相手は未知のカードであるならば、非クリーチャー・カードも選ぶことができます。その場合、そのカードは手札に加えられるべきカードではありません。つまり、適正にカード群(=手札)に存在し得ないカードです。このカードは「過剰なカード」として処理されます。

過剰なカードは適正な領域に戻される。その領域がライブラリーであった場合、無作為の部分に入れて切り直す。プレイヤーは、この違反を起こした指示や指示の一部を(あれば)繰り返さない。

さきほどまでに出てきた「過剰なカード」は、本来あるべき領域に戻されます。戻すべき領域がライブラリーであるなら、切り直されます。


IPG 2.4. (ゲーム上の誤り - マリガン手順の誤り)

新しい項目として、〔マリガン手順の誤り〕が追加されました。mjmj訳を引用して説明を行います。

懲罰: 【警告】

定義:

 プレイヤーがマリガン手順中に誤りを犯した。ゲーム開始前の手順が完了した後の誤りには、この違反は適用しない。
 必要よりも早くマリガンすることを宣言した、などの利益のない小さな手順の誤りは、違反ではない。
例:
(A) プレイヤーがゲームの開始時に(7枚でなく)8枚引いた。
(B) プレイヤーがゲームの開始時、マリガン後に(6枚でなく)7枚引いた。
(C) プレイヤーが手札をキープして占術を行い、その後で再びマリガンした。
(D) マリガンせずにキープすることを選んだプレイヤーが、対戦相手がマリガンしたのを見てからマリガンした。

ゲーム開始の手札は、その当人しかカードの内容がわかりません。従って以前は〔非公開カードに関する誤り〕に該当していました。ところが、〔非公開カードに関する誤り〕の内容が多岐にわたるので、ゲーム開始時......つまり、マリガン手順中......の間違いは、別の項目で扱うことになりました。それがこの〔マリガン手順の誤り〕です。

定義はわかりやすいものです。ゲーム開始前の手順が完了した後には、〔マリガン手順の誤り〕は適用されません。


理念:

 ゲームの開始前の誤りには、ゲーム中の他の時点とは違い、より損害の小さい選択肢である強制マリガンが存在する。しかしながら、〔非公開カードに関する誤り〕にするほうが有利だと考えたプレイヤーが違反に気づいてもマリガン手順が終わるまで黙っていてそれから「発見」したいと考えるようであるべきではない。
 違反を犯したプレイヤーが可能な限り早く自分の誤りを報告することを推奨する意味で、ゲーム開始前に措置を行う選択肢が与えられる。
 マリガンした後でプレイヤーが自分のライブラリーの一番上を見た場合、見る前に口頭で、あるいはライブラリーの上から複数枚を一度に見ることによって、はっきりともう一度マリガンすることを宣言していないかぎり、手札をキープすることを選んだものとする。

理念も理解することは易しいでしょう。ゲーム開始前の占術もどきには注意することです。手札を見た後で、ライブラリーの上から複数枚のカードを一気に見た場合、そのプレイヤーはマリガンを選択しています。そうでなく、単に上から1枚見た場合は、通常時に手札をキープした場合と区別が付きません。なので、「手札をキープすることを選んだもの」とみなされます。


追加措置:

 プレイヤーの手札にカードが多すぎる場合、そのプレイヤーは手札を公開することを選んでもよい。そうしたなら、その対戦相手はその中からライブラリーに戻して切り直すカードを選ぶ。複数枚多すぎた場合(例えば、1回マリガンした後に6枚のはずが8枚引いた)、対戦相手は適正な枚数になるまでカードを取り除き続ける。
 この方法でカードを手札から取り除かなかった場合(枚数が多くならないような誤りの場合や、プレイヤーが公開しないことを選んだ場合)そのプレイヤーはもう一度マリガンを行う。
 この措置が終わった後で、プレイヤーはマリガンを続けてもよい。

追加措置は選択式です。まず、違反を犯したプレイヤーは、いわゆるHCE的な措置をするか、もしくはもう一度マリガンを行うかを選択します。
例えば、6枚の手札を引く必要があったプレイヤーAが、7枚引いてしまいました。Aは、手札を公開することを選びました。対戦相手はそのうち1枚を抜き、Aの手札は6枚になりました。
これで追加措置は終わりです。Aは、望むなら更にマリガンを選んでも構いません。そうした場合、次にAが引く枚数は5枚となります。


IPG 2.5. ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為

追加措置の部分が少し更新されました。

プレイヤーが、戦場に存在している、継続的効果を生み出す常在型能力に関して不正な選択をしていた(必要な選択をしていなかったことを含む)場合、そのプレイヤーは適正な選択を行なう。不正な選択によって発生した明白な問題について、単純な巻き戻しを考慮してもよい。

巻き戻しを行う場合、そのすべてを巻き戻すことが基本ですが、そうではなく、不正な選択をしていたことが原因であり、かつ、単純な巻き戻しができる場合、その部分だけを巻き戻して良くなりました。

例を出しましょう。APは《万物の声》を出しています。NAPはそれに《恐怖》を唱えたあと、互いに《万物の声》の宣言を忘れていたことに気がつきました。この場合、APは正しい宣言をし直せますが、《恐怖》を唱えたことを巻き戻した後で宣言をさせます。


3.5. イベント上の誤り ― デッキ/リストの問題

明らかにデッキの一部ではないカード(異なるスリーブに入っているカード、トークンなど)は、デッキが適正かどうかを判断する上では無視するようになりました。
このため、両面カードの第2面を示すために、追加で入っているカードに関しては、それが「明らかにデッキの一部でない」かぎり、デッキの一部でないとみなされます。

また、格下げ案件として、なくしていたカードが現在の対戦相手のデッキに含まれていた場合、それらのカードをオーナーのデッキに戻し、両方のプレイヤーに【警告】を与えます。主に、《忘却の輪》などでカードを重ねている場合などによく起こりえます。

もし、無くしたカードがサイドボードのカードであった場合、現在のゲームが第1ゲームであれば問題ありません。それはサイドボードに入れれば良いのです。が、第2ゲーム以降であった場合、サイドボーディングを行っているので、その無くしたカードが本来何処にあるかはわかりません。こんなときは、サイドボードのカードを全部を、メインボードが必要数に達するまで、無作為に加えます。


MTR更新:

『イニストラードを覆う影』のリリースで、スタンダード構築戦がローテーションしたこと、そして4月8日の禁止・制限カードリストの更新が含まれています。

それ以外は以下のとおりです。

*1.4 参加資格
*10.4 組み合わせのアルゴリズム
*付録E スイスラウンドの推奨数
*不足F ルール適用度一覧

これらの項目の更新ではなく、プレミア・イベントの一覧のリストのうち、以下の点が更新されています。

ワールド・マジック・カップ予選トライアル
→ワールド・マジック・カップ予選ラストチャンス予選

*2.8 デッキチェック

プレイヤーが手札を見て、マリガンの手順に入っていた場合、デッキ全体へのデッキチェックを行うべきではありません。そのような場合、メモをとっておいて、後でデッキチェックをするか、他のテーブルをチェックしましょう。

*3.5 チェックリスト・カード

チェックリスト・カードを使用する場合、その特定のカードすべてをチェックリスト・カードで使用しないといけません。他の名前のカードが真正の両面カードであっても構いません。以前は、「両面カードすべてをチェックリスト・カードにする」か、「チェックリスト・カードを使用しない」の2択でしたが、そうではなくなりました。

例を出すと、《ヴリンの神童、ジェイス》4枚をチェックリスト・カードで使用し、《異端の癒し手、リリアナ》1枚を真正の両面カードでデッキに使用していても構いません。


*6.3 スタンダード・フォーマット・デッキ構築

スタンダードはローテーションが起こって、以下の5つのエキスパンションが使用可能です。

『タルキール龍紀伝』『マジック・オリジン』
『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』
『イニストラードを覆う影』

これに加えて、ブースター・バトルパック、ウェルカム・デッキ、デッキビルダーセットに含まれる、セット識別コードが『W16』で、流星と16という数字が描かれたエキスパンション・シンボルのカードはスタンダードで使用できます。
これらのカードは、『イニストラードを覆う影』がスタンダードで使用不可能になるのと同時にスタンダードで使用不可能になります。

W16のリストはこちら


by testing 2016/04/13

再びHCEという重箱の隅をつつく

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OGWの違反処置指針(IPG)更新後、数枚のカードについて〔非公開カードに関する誤り〕(HCE)がどう作用するかを説明した記事を公開した。今回、もう一度それらのカードについて話し、SOIでの更新がどう作用するのかを見てみようと思う。

一点、以前と変わらずに真実であることは間違いないが、誤って解釈されてしまっていたことを述べよう。ゲームにおいてHCEの追加措置を適用するのがおかしい、とあなた自身が感じたなら、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕(GRV)を与えるのだ。なぜなら、たくさんのあまりにひどい状況は、実はGRV(つまり、誤りを犯した結果としてカードが手札に加わった)であり、行われるべきではない処置を行っているのだ。例えば、私が{W}{W}{W}を支払って《予言》を唱えてカードを2枚引いたとしよう。この場合の追加措置は、私が対戦相手にカードを2枚取られて、それらをライブラリーに切り混ぜ入れられるのではない。これまでの指導は適用されるが、もう少しこの辺りを明確にしたい。HCEのように思える状況で、処置がバカバカしいと感じたなら、あなたは他の誤りを適用できないかを模索するべきだ。明るいニュースとして、新しいルールは狂乱の事態に陥らないように、何重もの障壁を作成してくれている。おそらく重篤なことにはならないだろう。

再度、これ以降は重箱の隅をつつくような話になるということだ。これより我ら、修羅に入る!

《闇の腹心/Dark Confidant》dark_conf75.jpg

最初に言っておこう。この例では、《闇の腹心》の誘発型能力を「解決している」のだ。すごく間違いやすいので注意するように。

ここの変更はかなり大きい。あなたが《闇の腹心》の能力を宣言し、一番上のカードを公開せずに手札に入れた。しまった! さて、あなたは対戦相手にあなたの手札を公開し、対戦相手はそのうちで、対戦相手が知り得なかったカードを選ぶ。そして、それが《闇の腹心》で公開されなかったカードとなる! あなたはそのカードのマナ・コストに等しい点数を失う。 

(訳注: 対戦相手が事前にあなたの手札を知っている可能性があることに注意。例えば、《強迫/Duress》などで手札をメモっていたら、それを利用しよう。)

《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin》rumm_gob75.jpg

これに関しては、我々は、頭をあれこれと振り回しながら長い間悩む羽目になった。カードを捨てることがコストであることは明白であり、単純な方法で補完することは難しく思えた。暫くの間、この部分は無視して、過剰なカードをして扱うことを考えた。そうなると、懲罰してはやけに重たい。カードを追加処置で取り除いて......さらにカードを捨てなくてはいけないの? おお、こわいこわい。

間違った行動によって得られる有利性を、どうにかして減らさなくてはいけない。「引いて、捨てる」ことが、「捨てて、引く」ことよりも優れている点は、引いたカードをすぐ捨てることができる、ということだ。これができる可能性を潰せば......おっ、どうやら罰則を減らせそうだ。

結論として、追加措置は単純なものになる。手札を公開し、対戦相手はそのうち1枚を選んで、「このカードが今引いたカードだ」とするのだ。もちろん、カードを選ぶ前に、対戦相手が知ることができていて、「手札にあってもOK」であるカードを調べておく必要がある。

(訳注:APがこの間違いを犯したとしよう。捨てたカードは《山》である。ジャッジはNAPに既にAPの手札で知っているカードがあるかどうかを聞き、必要ならメモも合わせて調べる。それにより、手札には《稲妻》があることがわかった。さて、APは捨てた《山》を手札に戻し、手札を公開する。そうすると、《平地》、《稲妻》、《山》があった。NAPはそのうち《山》か《平地》を選ぶことができる。結局、NAPは《山》を選び、そのカードは「起動型能力によって引いたカード」とみなされ、コストとして捨てるカードとして選べなくなった。APは《平地》を捨てた。これで処置は終わりである。APにHCEを出すのを忘れないように!)

《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》sensei75.jpg

これはかなりめんどい。HCE(対戦相手はあなたの見たカードがわからない)、GRV(能力の起動を誤っている)、LEC(過剰なカードを見ている)という要素がからみあっているからだ。結局、これは誤ってしまいがちな事例である。しかしながら、LECの理念を拡充するようにルールを変更したので、この事例は明確にLECに分類されることになった。追加措置に関しては、対戦相手が関わる必要性を感じないのだ。

ゲーム開始手順の占術もどき/The Forbidden Look

訳注)Tobyがバンクーバー・マリガン採用時に書いたブログ記事 "The Forbidden Look" を参照のこと。http://blogs.magicjudges.org/telliott/2015/10/03/the-forbidden-look/
かいつまんで言うと、「マリガン後に何も言わずライブラリーの上を見るな!」ということです。

以前に行った説明は正しいが、それはかなり技巧的なものであった。そして、基本的な事項に関して技巧的な手法を用いるべきではないと考えている。つまり、新規に〔マリガン手順の誤り/ Mulligan Procedure Error〕を策定する原動力になったわけだ。以降は、ゲーム開始時の手順に伴う諸問題はこの項目に集約されるので、一般的なHCEを適用するべきではない。

追加措置は、そのプレイヤーや対戦相手が何をすればよいかという選択肢を与えている。通常より多い枚数のカードを引いてしまったのではない場合、単にマリガンをし直すことになる。例えば、私がマリガンをして6枚引き、一番上を誤って見て、マリガンを行った場合、私が次に引くべき枚数は4枚である。

変異breakopen75.jpg

以前の記事を私が書いてから、変異で裏向きに置かれているカードに手札を重ねてしまったという状況を聞き及んだことは、おそらく無い。それでも、追加措置は明確なものになった。そのプレイヤーの手札には過剰なカードがあり、手札を公開して、「変異であるべき」カードを対戦相手が選ぶのだ。

文章上、そのカードを裏向きで戻すとはどこにも書いていない。が、常識的に考えて、私はそのようなことを書く必要がどこにもないと信じている。

《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》pyxis75.jpg

ようこそ再び重箱の底へ!(一度に2枚追放しちゃったって? やっちまったの?)

で、新しいHCEはこの愚かな状況に対してなにもしない。幸運にも、定義の部分には、「この違反はカードが何であるか知っているプレイヤーがただ一人であるときにのみ適用される」(*1) とある。つまり、この場合、誰もその表を知らないのだ! (注意:これは偶然にも使用した単語がそうなっていただけの話だ。そうかといって、この重箱の隅の状況を特別に修復しようとは考えていない。)
(*1 筆者私訳です。mjmj.info訳では文面が異なる場合があります。)

以上から、これはGRVである。そしてまだ深淵の底から出れない。私は、そのプレイヤーが追放した束の中から1枚を無作為に選び、ライブラリーに戻すよう、プレイヤーに向けて提案する。でも、もしあなたが【警告】を出してそのまま何もせずに立ち去っても、私は責めたりなんかしないよ!

(訳注:GRVであるなら、IPGに記された措置が可能かどうかを検討する必要がある。で、どれも適用できない。そうなると、巻き戻しを行うか、そのまま放置するかになる。巻き戻しを行うにしても、もう2枚追放されていて、その2枚がどうなっているかは、誰にもわからない。困ったなー。ところで、単純な巻き戻しにランダム性は入れちゃいけないとあるので、この提案は単純な巻き戻しでもない。つまりTobyは第3の道を提案しているのだ。でも私も責めたりしないよ!)

《森の知恵/Sylvan Library》sylvan75.jpg

だから、そんなカードはない。(処置は以前と変わらない)

 

これでおしまい! 以前の記事よりも若干短くなっているし、その点は良いことだ。さて、疑いようもないことだが、私は次に「新しいHCEという重箱の隅をつつく」という補完記事を書こうとしている。その記事は今のよりすごく短いものであることを祈って。

-- Toby Elliot


原文) http://blogs.magicjudges.org/telliott/2016/04/04/revisiting-the-hidden-corners-of-hce/

SOIポリシー変更

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『ゲートウォッチの誓い』でIPGには大きな変更があった。『イニストラードを覆う影』での更新では、これらの変更を見返し、より明確にすることで、我々に理解をしやすくするようにするのが目標だ。ほとんどすべての更新は、〔非公開カードに関する誤り〕(=HCE)と〔デッキ/リストの問題〕に関連している。いくつかの例外があるが、それは後で述べよう。では、行くぞ!

非公開カードに関する誤り

〔非公開カードに関する誤り〕は、ペナルティに、より理念的なアプローチを行った、興味深い試みだった。それにより、色々な結果が得られた。それらの結果うちの一部は、直感的で非常に満足できていると感じた。それとは別に、いくつかの奇妙な状況において、どの違反を適用すればよいのかよくわからないといった苦労もあった。また、違反を抽象化することによって、最終的にカードが間違った領域にあるという理由のみで、HCEに押し込めようとする動きもあった。つまり、我々はこの違反を直感的に感じるように維持しつつ、より明確にする必要があることがわかったのだ。

最初のステップは、ゲーム開始前の誤りを全て追い出すことからだった。この類の誤りは〔非公開カードに関する誤り〕に誘導するものではあるが、それはあまりにも多くの情報が絡むようになっていた。バンクーバーマリガンは、その手順において複雑なニュアンスが絡み合い、かつ、「プレイヤーは追加措置を避けるため、もう一度マリガンすることができる」、というHCEの例外的な追加処置があることも、混乱の元となった。そのため、我々は〔マリガン手順の誤り / Mulligan Procedure Error〕(*1) という、新しい違反項目を制定した。これを用いて、ゲームが始まる前に犯したプレイヤーの誤りを扱うことができるようになった。
(*1 訳者の仮訳です。mjmj.info版とは訳語が異なる場合があります。)

注意すべき点が1つある。〔マリガン手順の誤り / Mulligan Procedure Error〕は、ゲームが始まる前にのみ​​、適用されるということだ。具体的には、先手が最初のターンでドローしてしまった場合は、〔マリガン手順の誤り / Mulligan Procedure Error〕ではなく、HCEとして処理される。最初のターンのドローを、ゲームを始める準備の一部として認めてしまうのは、【ゲームの敗北】というには至らないまでも、やや乱暴である。そして今、罰則はより近しいものとなった。これはより自然なことのように受け入れられるだろう。

HCEの定義はこれまでと同様だが、使用される言葉(例:「カード群/set」)のより良い変更や、HCEと〔過剰なカードを見た〕(=LEC)との間に線引きを行い、より確固たるものにした。この線引きは完璧なものではないことに注意して欲しい。例えば、占術が関係している場合などは、HCEとLECの2つはより密接に関連している。だが、ジャッジコールに対してプレイヤーをどう指導したらよいかの助けにはなるはずだ。理念の段落では、違反の根本的な原因がどこにあるかと、どのカード群が違反に関係しているかを判別することに重点をおいて、いくつかの一般的な説明を記し、項目を強化している。注目するべきは、関わりのあるカードを把握するために、事前に得られる知識を用いて、より柔軟に対処ができることだ。手札が数ターン前に効果によって明らかにされていたなら、プレイヤーが書き下したメモや、記憶を用いることによって、問題となっているカードを把握することができるのだ。

追加措置は、手続き前とした手順に分かれていて、ひどすぎる解決方法は削除されている。具体的には、ライブラリーを公開するようなことはごくまれであり、手札または変異カードを、ライブラリーへ切り混ぜた時のみになった。また、厄介な状況においてそれを円滑に解決でき、プレイヤーの懸念も少ないと自負するいくつかの技術を、今回導入することにした。これはしばらくの間導入を見送っていたものである。

最も一般的な状況に対する、追加措置の概要は以下の通り。

  1. 処理の順番を間違えてしまった場合(例えば、「捨てて引く」のではなく「引いて捨てた」場合や、スタックに置かれている順番とは逆に解決を行った場合)、手札を公開し、対戦相手がカードを選んで脇に置く。そして、ジャッジがそのカードが本来どこにあるべきかを調べるまで、脇に置いたままにする。

  2. (公開すべきカードを)公開しなかった場合、手札を公開し、対戦相手はカードを選びます。それが「本来公開されるべきであった」カードとなる。そして、そのカードに対してなされるべきことを行う。(選ばれたカードが、結果として手札に入るべきでないカードであった場合、それはライブラリーに切り混ぜられるという処理も含まれる。)

  3. それでもなお、過剰なカードを持っている場合。公開と選択を同様に繰り返す。

ここに挙げた処理のいくつかの実例は、次の記事で紹介している。参照まで。『再びHCEの重箱の隅をつつく』

私たちは、これからも複雑さと正確さとのバランスを適切にするよう、細かい調整を加えていくだろう。私は今の状態が適切であると楽観的に考えているし、厄介な状況がみつかるのは、興味深い事だ。

〔デッキ/リストの問題〕

以前のIPGの改訂において、〔デッキ/リストの問題〕の格下げに伴う変更は、HCEに関しては特に関係がなかった。けれど、さらにいくつかの改善を行うことにした。特に、あなたのカードが私のデッキに入っていた場合に、その場合においては相殺する必要があることが、完全に明確ではありませんでした。そのまま読み下すと、私のみに【ゲームの敗北】が与えられるようになっていたのだ! さらに問題なのは、紛失したカードがあなたのサイドボードにあった場合、そのカードがデッキに入っているかどうかをすぐには気づけないという可能性もある。(ふとした時に確認するのは良いことだね)

問題の切り分けができ、そのカードがあなたの前の対戦相手のデッキにあった場合、あなたは【警告】を受け、彼らは【ゲームの敗北】を受ける。この結果はこれまで完全に覆すことができなかった。が、それらのカードが、行っているゲームとは別のスリーブであった場合、それは明らかにデッキの一部ではなかったとして、我々はそれを無視することができるようにした。これにより、多くの状況で罰則を軽減することができるようになった。 (メインとサイドボードで異なるスリーブを使っており、「スリーブの中身を入れ替える」場合は、また別問題であり、これまでと同様になる) 以前の対戦相手と全く同じスリーブを使用していて、かつ、あなたがゲーム開始時点の手札で問題が起きていることを把握できなかった場合、残念ながらこれまでと同様に【ゲームの敗北】となる。

手短に色々と

  • mimic.jpg誘発型能力の誘発を示すことと、その誘発型能力が解決されてゲームにう影響を及ぼすことに関して、少し混乱があった。ある誘発型能力が誘発し、それを対戦相手に知らせる際に、「誘発した」などのごく一般的な表現を使わなかったことが鍵となる。カードを指差しながら、「誘発した」と表現したなら、それが通常に誘発したという意図を汲み取るには十分だ。また、《エルドラージのミミック/Eldrazi Mimic》は、小さい齟齬を引き起こしていたので強調しておこう。《エルドラージのミミック》を誘発したことを指摘していた場合、誘発型能力の解決時にも「P/Tを変更することを選んだ」ことを指摘する必要があるか? というものだ。 これは、特に何も応答がなければ、そうすることを選んだ、と仮定される。もし、「P/Tを変更しない」ことを計画している場合は、なぜあなたは最初の時点でそれを指摘したのだろうか?
  • ランダムな要素が含まれている場合、「単純な巻き戻し」はもはや単純ではない。「単純な巻き戻し」といえば、選択するべきものを忘れていた場合に、それと結びつけながら適用することができる。例えば、私が《恐怖/Terror》をあなたの《万物の声/Voice of All》に唱え、《万物の声》の色を宣言していないことを互いに気づいた場合、ジャッジは《万物の声》の色の選択をさせるよりも前に、《恐怖》をプレイヤーの手札に戻すことができる。

  • ice.jpgあなたのデッキにある両面カードは、すべてをチェックリストにするか、またはすべてを本物の両面カードで使用する必要があった。このルールは、使用するデッキのカード名ごとに緩和された。例えば、あなたは《ヴリンの神童、ジェイス》を全てチェックリスト・カードを用い、かつ、《氷の中の存在/Thing in the Ice》は全て本物の両面カードを用いる、といったことができるようになった。

  • プレイヤーが開始時の手札を開いている場合、もうデッキ・チェックは行わないことだ。何かしらの誤りや問題が起こる危険性が増してしまうからだ。メモをとっておいて、ラウンドの最中や、次のラウンドに行うようにしよう。

最後に

幾人ものジャッジが、私に対して、マッドネスに関するショートカット(手順の省略)を追加することになっているなら、プレイヤーがそのカードを墓地に直接置いたことを含めるかどうかを聞いてきている。答えはノーであり、以下はその理由だ。207.jpg
まず最初に、我々はエキスパンション・ブロックのメカニズムに対して手順の省略をさせない。(特定のメカニズムに対しての言及は避けてきたが、占術は常盤木能力になったとき、例外を作った。)
第二に、手順の省略の目的は、手順が曖昧な場合に、基準となる答えを提供することであるということである。だが、マッドネスが関わるこの状況に、曖昧さは無い。プレイヤーは、可能性がある限りその(マッドネスを)使用しようとするし、それで大丈夫だ。もし、プレイヤーがその後、自分の墓地からそれをマッドネスで唱えようとしたら、あなたは裁定を行う必要がある。例えば、プレイヤーがカードを捨て、それが墓地に触れて「これをマッドネスで唱えるよ」と言ったとしよう。これを杓子定規に咎める必要性を私は感じない。重要なのは、それを直接墓地においた事自体は、本質的な間違いではないのだ。

貢献をしてくれた皆と、冷静に変更とその影響について議論してくれた皆に、感謝を! 素晴らしいフィードバックを提供してくれた、Jeff Morrow,、Bryan Prillaman、 Jess Dunks、 Matthew Johnson、 Jennifer DeryそしてDan Collinsに特別の感謝を。では、リリースイベントをお楽しみください!  ワン!ステップ! ビヨンド!


原文: http://blogs.magicjudges.org/telliott/2016/04/04/soi-policy-changes/

訳注: 原文には英国のバンド、"MADNESS" のフォトが採用されていますが、こっちでは適当に差し替えています。どんな曲があるかは、記事最後のリンクからどうぞ。

エクゼンプラーの書き方

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全国のジャッジの皆様、こんにちは。
今回はエグゼンプラー・プログラムに関する情報についてお知らせ致します。
この文章はエグゼンプラー・プログラムのノミネート(表彰文)を書いて贈る方向けの内容になります。(現在ですとL2以上です) L1の方も将来自分がL2になった時や、もしかして制度に変更があった場合に備えて目を通すと筆の進みが速くなるでしょう。

【この文章を書いたきっかけ】
エグゼンプラー・プログラムは本当に良い仕組みです。
自分の長所を褒めてもらえて、プロモが貰えて、あなたがL2以上なら他人を大きな声で褒める事が出来るのです。直前のwave4では、L2が贈る事が出来る枠が3つから最大8つまで増えました。
単純計算で3倍弱の人に何らかの接点が増えたのです。ハッピー!
しかし、これによって贈る側の手間も増えました。そしてチェックする手間も増えたのです。

これを執筆途中の現在は今まさにチェックの真っ最中で、一部のジャッジにはリテイク(書き直し)が通達されています。リテイクはあなたの気持ちが否定されたような気分になるかも知れませんし、一度贈った文章を書き直すのは大変な手間です。善意で贈りたいと思ったはずが、ひどい徒労に終わらないよう、贈り手に出来る事が一つあります。それは「受理される書き方」をすることです。

【エグゼンプラー・プログラム表彰文の書き方】
既にエグゼンプラー・プログラム表彰文の書き方にはお手本があります。
ご存じ無い方は以下の2つに目を通してから文章を書き始めましょう。

・(表彰レビューの書き方
・(表彰の分析

【例文を用いて】
前項の2つの記事に目を通したにもかかわらず、リテイクになる場合があります。その場合、表彰文の表現が不十分である場合が殆どです。

ではどのような表現であればOKでしょうか?
例文を用いて受理される文章への変遷を辿ってみましょう。

例文1「○○さんはGP■■で仕事をすごく頑張っていた。ありがとう。」

まずこれは短すぎます。「150字以内の2~3文で書きましょう」と言われていますが、あまりに短く内容が伝わらないものは受理されません。そしてこれは「何」を「どう」頑張っていたのかが書かれていません。あなたがエグゼンプラーを贈りたいと思ったその内容に触れられていませんね。極端な話、150字だの2~3文だのは逸脱して構わないのです。相手の素晴らしい点を余す所なく綴って下さい。(だからと言って1500字では困ります) 最初は長くてもよいので、褒めるべき、表彰したいと思った点を記しましょう。

例文2「○○さんはGP■■でペーパーチームのリーダーを頑張っていました。そこで私に休憩を勧めてくれた優しさに感謝します。ありがとうございました。」

さっきよりは具体性が帯びてきました。ですがこれも恐らくリテイクとなるでしょう。
それはGPで頑張るのは普通ですし、休憩の管理に意識を向けるのはチームリーダーとして前提とされる職務内容だからです。レビュー等で個人的に感謝を表すには問題ない表現ですが、エグゼンプラーは他ジャッジの目に触れるものであり、自他が真似したい(目指したい)と思えるポイントを書き入れておくものです。もしあまりに長すぎる場合は、飾り過ぎた挨拶をしていないかなどチェックを行い、焦点を絞って要点をまとめましょう。

例文3「○○さんはGP■■(土曜)のペーパーチームリーダーを務める中で、メンバーである私より早く私自身の不調に気付いて休憩を勧めてくれました。私はそのおかげで日曜の最後までダウンする事なく、ジャッジとしてのポテンシャルを維持出来ました。ありがとうございます。」

これで問題なく受理されるであろうノミネートになりました。「何」を「どう」行い、その「結果」どうなったかが書いてありますね。このように書くと、贈る相手の○○さんが非常に注意深くチームメンバーを観察している様子がわかり、だからエグゼンプラーを贈られるのだと明確になります。
逆に言うと、この体験をもとにエグゼンプラーを贈りたいのであれば、例文1や2のような書き手だけにしか内容が分からない出力方法では不十分という事です。

【その他のコツ】
・体裁が整ったシンプルな表彰文の書き方として、例えばこのような3行で書くことも可能です。
 1行目に贈る相手のどこに着目したかを書きます。
 2行目にはその概要を補足する詳細や個人的なエピソードを添えます。
 3行目では短い〆の言葉やお礼、といった具合です。
・褒める時には多少大げさなくらい(ウソはだめですよ!)に書くと、読む人や贈られた人に丁度良い具合で伝わります。
・その凄さや素晴らしさを表すために具体的な時間や数字を入れると説得力が増します。
・イベントで何かが良くなったと感じたら、それは誰かが何かを改善した結果です。エグゼンプラーを贈るのに充分なエピソードがそこにはあります。
・投稿されたトーナメントレポートやそれに付いたレスは気付きの宝庫です。1日1つでも読むとエグゼンプラーだけでなく、いろいろな長所を探す訓練になります。
・「表彰の分析」には、なぜ表彰が却下されたのか、理由が幾つか示されています。それらに気をつけましょう。却下理由は大抵の場合、下記のいずれかに当てはまったからです。

 *詳細が不足している: その人は具体的に何をやりましたか? それを書けばOKです。 
 *報酬としての表彰: 「イベント頑張ったね」だけではエクゼンプラー足りえません。表現としては避けるべきでしょう。
 *認定ジャッジ以外への表彰: Lv0の候補生や、主催者としての表彰はエクゼンプラーの対象外です。
 *現在活動していないジャッジへの表彰:表彰の事実は古くとも約1年以内の事実に基づいて書きましょう。既に引退している人や、あまりにも過去の事を表彰文とする事は出来ません。
 *匿名での表彰: 名前を伏せて表彰を行うことはできません。
 *「激励のための」表彰: 「上のLvを目指して下さい」というのは、エクゼンプラーの理由としては弱いものです。他に表彰するべき点があるでしょう。
 *ジョーク、スラング: 仲間内のみで通じるジョークやスラングは避けるべきです。エクゼンプラーは他の人も読みますので。

【おわりに】
この制度は始まってまだ1年程度の成長段階ですが、既に多く幸せを創る制度だと実感しています。その幸せのためには、贈る側がほんの少しだけ「文章の書き方」に気を付けるだけで良いのです。ここで紹介した方法は1つのやり方に過ぎません。要点さえ押さえていればどんなものだって良いはずです。そしてきっとその方があなたの内側から出た言葉として、受け手の思い出に残る素晴らしい体験になるでしょう。

それでは皆様、良いジャッジライフを!


by Hiroshi Itani  (監修: testing)

HCEという重箱の隅をつつく

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新しい違反処置指針(IPG)が出てから1週間が経った。〔非公開カードに関する誤り〕(HCE)は概ね好意的に受け入れられているようだ。この違反が直感的である点や、ジャッジに対して説明がし易いという点で、いくつものお褒めの言葉を頂いている。

特に、「理念に基づいている」ということから、大抵の状況において直感的にこの違反を適用することができる。また、HCEとするには適当でないと思われる状況が、すぐにわかるのは、とてもよい兆候だ! 真面目な話、ゲームにおいてHCEの追加措置を適用するのがおかしい、とあなた自身が感じたなら、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕(GRV)を与えて、その状況を他のジャッジと話すべきだ。

と、いうことで、少しの混乱はあるにせよ、それらの状況について話すことに価値があると私は思う。それにより裁定の矛盾をなくすことに繋がるし、違反の意味するところをより明確に学ぶことができるのだ。問題となった状況を理解することにより、どこまでがHCEだと線引きされ、かつ、どのように適用されるべきかを判断する助けになるだろう。

注意して欲しいのは、これ以降は重箱の隅をつつくような話になるということだ。最初は普通だと感じるかもしれないが、わりと尋常じゃない。でもそれでいい! 理念とは一般的な状況において自然に適用されうるし、そうじゃない状況においても注意してやれば良いだけのことだ。

《闇の腹心/Dark Confidant》dark_conf75.jpg

《闇の腹心》はそれが刷られた時点から、頭痛の種だ。大抵のやっかいなものは〔誘発忘れ〕に鎮圧されたが、まだ鎮痛しきれない偏頭痛がある。そんな鎮痛しきれなかった痛みを抑えるため、HCEの項目の例示として《闇の腹心》が明示されたわけだ。

(引用)IPG2.3
(C) プレイヤーが《闇の腹心》の誘発型能力を解決して、そのカードを公開せずに手札に入れた。

注意して欲しい。この例では、《闇の腹心》の誘発型能力を「解決している」のだ。単にあなたのターンにカードを引くことは、《闇の腹心》の能力を誤って解決しているのではない。完全に《闇の腹心》を忘れているのだ。「1枚のカードを(公開することなく)手札に入れた」か、「ターンが始まって2枚のカードを引いた」のかが、「腹心を解決したか」どうかの線引きになる。

この例示を選んだ理由は、HCEによって「カードが減る」こともある、という理解が重要であるからだ。そのような誤りの結果としてカードが減ることは許容されるのだ。

私が私の《闇の腹心》の誘発で、カードを公開するのを忘れたとしよう。この場合、そのカードを私の手札に入れたままにしておくべきではない、という考えはこれまで無かった。だが、私はカードを1枚失う。この過ちに対する罰則は、カードを失うことなのだ。


《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin》rumm_gob75.jpg

「スタックに積まれた解決待ちの能力がどのような順番であれ、結論は一緒になる」という誘惑には抗いがたい。スタックに積まれているものをどのように行動を順序立てて行うか、ということをあまり深く考えないほうが良いに決まっている。だが、ある行動を先んじて行ってしまい、それを修正する必要がある場合、そうするべきなのだ。

さて、《かき回すゴブリン》を起動し、カードを捨てる前に引いてしまったとしよう。単純にドローが行われており、スタックに積まれた能力の支払いは正常に済んでいない。この場合、「タップして、捨てて、ドローする」ことが、「タップして、ドローして、捨てる」ことを行い、そのプレイヤーは【警告】が与えられ、ゲームは続行される。《地平線の呪文爆弾》の順序違いの解決や、《血清の幻視》を逆順に解決してしまった場合と同様です。『順序違いの連続行動(MTR4.3)』と似たようなもの(それ自体ではないが)であると考えれば、うまくいく。


《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》sensei75.jpg

「《師範の占い独楽》が戦場に無いときに、上から3枚を見てしまった」という例は、これまでと同様に〔過剰なカードを見た〕の例として挙げられている。特に問題があるとは思わない。結果として、それらのカードがライブラリーにシャッフルされても、それはこれまでと同様である。

根本的に、HCEは対戦相手に機会を与えるものだ。この状況では、誰かがその3枚を見て、結局何もしない--それらはシャッフルされて措置が終わる。私はこの場合において、対戦相手が巻き込まれる必要性を感じない。

ゲーム開始手順の占術もどき/The Forbidden Look

訳注)Tobyがバンクーバー・マリガン採用時に書いたブログ記事 "The Forbidden Look" を参照のこと。http://blogs.magicjudges.org/telliott/2015/10/03/the-forbidden-look/
かいつまんで言うと、「マリガン後に何も言わずライブラリーの上を見るな!」ということです。

"Forbidden Look" については以前書いた。あるプレイヤーがマリガンし、占術し、そしてマリガンを再度行うことを宣言した。この場合は大抵、「さらに1枚減らした状態でマリガンを行う」ことになる。そしてこの結論は現在でも変わらないが、理由としては技巧的にだが存在する。正直に言うと、非論理的で直感に従ったものではある。以下に示そう。

プレイヤーが6枚の手札を引く。占術する。マリガンを宣言し、手札を加えてシャッフルする。ここまで誰も止める暇がない。その後、そのプレイヤーは新しい手札を引くだろうが、そうするべきではない。

シャッフルするべきない時に、シャッフルを行ったという違反に思える! HCEの追加措置に従うと、ライブラリーを対戦相手に公開し、あるべき枚数(この場合は5枚)のカードを対戦相手が選ぶのだ。

当然のことながら、対戦相手は邪魔になるような手札を選ぶはずなので、プレイヤーは続座に4枚へのマリガンを行う。ほら、同じ状況になった。

(注意深い読者なら、シャッフルされた枚数は6枚なので、その枚数分を対戦相手に選ばせる、と判断するだろう。が、それは疑わしく、見当違いの意見なのだ)


変異breakopen75.jpg

変異持ちのカードとして裏向きに置かれているカードに手札を重ねてしまい、それらをまとめて戻してしまったという状況はよく聞く。なんてこった! 戦場にあって裏向きのカードは、物理的には「非公開」扱いなのだ。

あなたの手札を対戦相手に公開し、カードを1枚選ばせてそれを裏向きに戦場に置く。そのカードはそもそも変異を持っているという保証もないが、変異を持たずとも、予示というルールがあるので、「変異を持たないカードが裏向きに戦場にある」こと自体は認められる。もちろん、戦場にある裏向きのカードが変異を持っていなくても、罰則は与えられない!

予示されたカードが問題となっている場合、戦場に戻ってきたカードに関して、「予示されたもの」としてうべきである。

《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》pyxis75.jpg

一度に2枚追放しちゃった。
やっちまったな。

これは、理念と実際に行うべき処理がズレていて、HCEがもたらしてくれる答えが狂っている状況のひとつだ。ようこそ重箱の底へ!

根本的に、全てのカードは同一とみなされ、それらに関する情報をだれも持ち得ない。それらのカードは非公開であるとはいえ、誰もそれらに手を加えるべきではない。最終的に、2枚の内1枚を無作為に選び、それをライブラリーに戻すことになる。

《森の知恵/Sylvan Library》sylvan75.jpg

そんなカードはない。

えっ? Gathererに載ってるけど!

こういうことを言うと皆が心配するが、実のところポリシーを書いている最中、《森の知恵》に関しては意識してなかった。このカードは現実のカードで行うマジックでは機能せず、ジャッジが状況に応じて最善を尽くすしかなかった。

こう書いたが、HCEはこの問題に答えを示してくれた。《森の知恵》の解決中に、このターンに引いたカードとそれ以外のカードが混ざってしまった場合、まず、そのプレイヤーに何点のライフを支払いたいかを聞く。その後、対戦相手はプレイヤーの手札から、本来あるべきでない過剰である枚数分のカードを選択し、それらをライブラリーにいれて切り混ぜる。

切り混ぜることについて、そのプレイヤーが引くべきカードが既知であったとしても、それらのカードをライブラリーの上に戻さないのだろうか?

この主張はカードをライブラリーの上に戻すことができるように思えるし、これから議論を起こしていくことにもなるだろう。《闇の腹心》と同様に、上に挙げた方法そのままでゲームを修復しなくても、それは許容される。この過ちに関する罰則はカードを失う(手札からライブラリーに移動する)ことであり、この点では首尾一貫しているのだ。

-- Toby Elliot


原文) http://blogs.magicjudges.org/telliott/2016/01/25/the-hidden-corners-of-hce/

スペシャルサンクス: すずけんさん

OGW からのポリシー変更

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さて、歴史の授業を始めよう。歴史の授業は楽しいよね。そう思わないかい?

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今は昔、もうそんなことは忘れているかもしれないけど、2006年のIPGには、〔公開忘れ/Failure to Reveal〕という違反があった。その違反は、プレイヤーがカードの公開を忘れた際に出される違反だった。そう、《ドムリ・ラーデ》などだ。(当時はそんなカード無いんだけど、まあ続けよう)で、この違反は変異を公開しなかった時にも適用された。これに対する懲罰は【ゲームの敗北】だった。

さて、この違反自体は些細な誤りだ。わざわざIPGの半ページも使って区分することもない。そうして、この違反は〔その他一般のゲームルール抵触行為〕に組み込まれ、特別に格上げされるケースとして落ち着いた。

......これは間違いだった。長い間、間違えたままになっていた。なぜ間違いかというと、〔ゲーム上の誤り〕に区分される違反で、【ゲームの敗北】を懲罰として与えるものは、〔過剰なカードを引いた〕というものが既にあったのだ。(何を言わんとしているかは、もうわかるかもね)

なぜ〔公開忘れ〕を不格好に〔その他一般のゲームルール抵触行為〕に組み込んだのだろうか? それは〔公開忘れ〕はカードを引いていないからだ。違反の名前は誤りの内容を示す必要があるし、「なあ、別になっているのは変だ。その2つの違反は共通している理念がたくさんあるよ。」という意見は、誰も言わなかった。

さて、平穏な2015年に戻ろう。〔過剰なカードを引いた〕は新しい追加措置がとられるようになり、【ゲームの敗北】も与えられなくなった。これは広く周知されたし、うまくいっていると感じる。で、他にも同じ処置を施すことができるような状況が複数ある。そんな状況をひとまとめにしてしまって、同じ措置を行うべき違反を定義してしまうのはどうだろう?

......この試みはうまくいかなかった。色々異なることが1つになっていることに皆が混乱した。また、根本的に、ほとんどの場合において過剰なカードを引いていないのにもかかわらず、〔過剰なカードを引いた〕と適用させるのは無理があった。〔公開忘れ〕を動かした時に、その違反が直感的でないという事実を無視し続けた影響だ。で、処理の仕方が異なる状況での、追加措置を並べるのは、やめにした。これは処理の仕方で分類したわけじゃないからだ。

これらの状況は、理念の上での共通点が多い。これらの誤り全てに共通しているのは、ゲーム中に公開された情報のみを使っても、第三者による修正が不可能である、ということだ。ゲーム上の処理ではなく、この理念を違反の定義に適用したらどうなるだろうか?

さて、皆様に紹介しよう。〔Hidden Card Error〕だ。hidden_path41.jpg

〔Hidden Card Error〕は機能的な変更をもたらすものではない。ここ数ヶ月においてあなたが行ってきた裁定と、ほとんどは同じ結果になるだろう。けれど、見た目はすごく整理されたものになる。〔過剰なカードを引いた〕、〔公開忘れ〕、〔ゲーム開始時の引き間違い〕は、全て1つにまとまった。ああ、ついでに変異に関する処置も入れ込もう。

プレイヤーが、公開された情報だけでは修正が困難な誤りを犯したとしよう。その場合の追加措置は、対戦相手に必要な情報を公開して、どう修正するのかを対戦相手に選択させることになる。《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》でカードを公開してない? 対戦相手が君の手札を見て、カードを取り除く。 占術1で二枚見た? 対戦相手がその二枚を見て、一枚取り除いてもう一枚で占術する。 マリガンしたのに7枚引いた? 何をしたら良いかはもうわかるだろう。手札をライブラリーに混ぜて...って、ちょっと待った、それも同じだ。

この「理念に基づいた違反」の良い点は、追加措置が直感的に行えるということだ。修正を行っている時に、この状況に修正を適用すると何かがおかしいって自分自身で思った場合は、二重チェックをしよう。おそらく、何か考慮すべきことを忘れていることに気づくはずだ。(そういう状況で、解決方法が直感的ではないと気づいたならば、それについて聞かせて欲しい)。たしかに、この罰は軽くはない。でも、思い出して欲しい。かつては【ゲームの敗北】が下されていた。これらの懲罰は重くあるべきだ!

要点を強調しておこう。「その誤りは、公開された情報のみでは修正できない」ことである。件の誤りの後に行われた他の誤りに関しては、この違反を考慮しない。例えば、《予言/Divination》をRRRで唱えた場合、この誤りはコストの払い間違いで、カードを引いたこと自体が誤りの中心ではない。つまり、伝統的な〔その他一般のゲームルール抵触行為〕だ。同様に、プレイヤーが誤り(ほとんどの場合はカードを引くことについて、だろう)を犯す際に許可を得ていた場合も、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕になる。既に言ったように、全部の結果が変化するわけではない。

おそらく、この変更は皆に受け入れやすいものになっているだろう。これからも繰り返し改善点を見つけて、修正を続けると思うけど、今回は大きな改訂の一つになるはずだ。みんながどう思うか教えてくれ!

今回の統合で、項目番号にが飛び飛びになっていることに気づくかもしれない。そのことについての指摘は不要だ。これは故意にやっているんだ! 僕の計画では、何かを見落としていて違反文章を元に戻したりする必要がないことがわかり次第、次の版で番号を振り直すつもりでいる。僕がやってもらいたいのは、Brianのチームに、一度、全部の試験問題をご破算にしてもらうことぐらいだ。

他にも、変更を強調しておくべき点がいくつかある。(毎回ある、簡潔かつ明確にするための改善だ)。一つの重要な変更点は、ゲームが開始してからカードが足りないことがわかったデッキに関する新しい格下げだ。デッキが提示された後で、脇や床に落ちているカードが見つかった時、何が起きているのか理解するのはいささか困難だ。誰が? いつ? これからは、それらのカードをデッキに切り混ぜて、ゲームをそのまま続けることにする。(その誤り自体は故意に行われたものではないと、あなたが信じていると仮定している)lenz_223.jpg

また、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕にも少し変更を加えた。これからは、領域が変更されるべきだが、そうされなかったカードに対して、部分的な修正を行える。特に、死ぬべきクリーチャーが、ちゃんと死ななかった時によく起こる。さらに、両方のプレイヤーが〔その他一般のゲームルール抵触行為〕を受ける場合に、どちらに非があったかどうかを技術的に定義することは諦めた。両方のプレイヤーが誤りに責任があると考えられる場合 (置換効果とか、行動に関わったとか)、そのようにする。

MTRにも、いくつか変更がある(ようこそ、《荒地/Wastes》!)。その中で、小さいけれど重要で注意したい点がある。これは長年の間、誤解の原因になってきたものだ。『DCIは哲学として、プレイヤーは「ゲームのルールをよく理解していること」~~によって有利をえるべきだと考えている』(MTR4.1) これはルールに詳しい人が時々掲げる謳い文句として用いられてきた文言だけれど、実はそうではなかった。ゲームのルールを理解していることによって得られる有利とは、決定を下す際の選択の幅を大きくするものだ。それによって、他のプレイヤーが辿らない道に進めるかもしれない。で、この点をはっきりさせるためにこの文章は変更された。もちろん、ルールを知っていること自体が、必ずしも有利を得られるとは限らない。けれど時に、より多くの道を見ることができるのだ!

ここまでだ! いくつかの細かい調整や明確にした点があるので、IPG、MTRの変更履歴を見ておいてくれ。いつもいつも、フィードバックをありがとう。 Jeff Morrowのアドバイスと指導に格別の感謝を。同様に感謝を、Sean Hunt、David de la Iglesia、Will Anderson、George Gavrilita、Lyle Waldman、そしてしばらくこれと格闘してくれたL4の仲間たちへ。

新しいカード達を楽しんでくれ!

-- Toby Elliott


原文) http://blogs.magicjudges.org/telliott/2016/01/18/ogw-policy-changes/

スペシャルサンクス: 瀬野さん

パート1:準備

私(Kevin Desprez) がGPバンクーバーで事前準備をしている間に感じていたことだ。GPはやりがいがあるものだが、大変なイベントになりつつある。2016年のGPに関する変更に光をあてよう。

毎週のようにマジックの歴史は紡がれていく!

・新しい足切り

今年からのGPで一番大きい違いは、2日目に進出するために必要な勝ち点の変更だ。
2日目に必要な勝ち点はこれまでの21点から、18点になる。つまり、2日目のメイン・イベントは爆発的とまでは言わなくても、規模が大きくなる。平均的には、2日目進出者の数が、これまで全参加者の10~13%であったのに対し、新しい勝ち点の方式では30%かそれ位以上にまで増えるだろう。

(注:10~13%という数字は、純粋な算術計算からというよりも、これまでのGPから得られたデータの分析によるものである。なぜなら、計算をするうえで理論的なモデルを考えたとしても、1)不戦勝を持つプレイヤーの数 2)引き分けになるマッチの数 が不確かな要素となるので、予測がしかねるからだ。)
(注2:30%という数字も上と同様の理由からである。おそらく過小に評価しているだろう。)

・参加者の増加

それよりもさらに、昨年中はGPの参加者数が増加傾向にある。GP名古屋やGPバンクーバーは、2500人を越える。または、主催者が準備できる分まで増えることになる。確かに、GPを主催する上では、実際の参加人数は重要な要素ではない。それに問題があるとすれば、参加者それぞれに素晴らしい「マジックを体験」してもらうよう、主催者がいかにして準備をするか、ということだ。

もう少しわかりやすい話をしよう。上に挙げたGP名古屋、GPバンクーバーは、2日目に800人規模のリミテッドを行うことになる。別の見方をすると、これらの2日目の人数は、MM2015で行われたあのGPラスベガス2015の2日目の人数2つ分を合わせたものより、***さらに大きい***。我々は歴史的なイベントに立ち会っていて、そしてそれはまもなく現実となるのだ。マジックの歴史的なGP2日目を、我々は運営するのだ!

以下、いくつかやっておいたほうが良いことを挙げよう。

*来るべき日に備えてできることは何か。

これまでは、2日目の準備は日曜日の朝に行っていた。
300名までのプレイヤー数であれば、朝に準備しても間に合うだろう。が、これを超えてくる人数の場合、準備を間に合わせるために、新しい試みが必要になる。必要となる時間は多くなり、単純に作業する人数を足しても解決はしない。実は、作業する人数が多くなれば、より多くの調整を行う必要があるからだ。そして、調整にもやはり時間が要る。

そのうえ、日曜日の朝では時間に追われることになり、チームごとのブリーフィングをする暇すら与えられないようになってしまう。準備と調整は大切だ。

*印つきのプロダクトの存在と、その数のチェック

・金曜日に、印つきプロダクト(ドラフト用にスタンプが押されたカードパック・セット)の在り処を確認する。

 これは言うまでもないことだ。が、時々LCTの忙しさにかまけて忘れがちになる。

・印つきプロダクトをいくつか無作為に取り出し、内容が合っていて枚数も正常であることを確認する。

 いわゆるランダム・チェックである。これによりパックのエラーが大量にあることを防げる。

・いくつのポッドを作ればよいか確認する。

 800人なら100ポッドが必要だ!
 各ブースター・ボックスには、ドラフトセットが概ね15~16入っている。
  (注:この数字は私の経験則からのものだ。包装の仕方がこれから変わるかもしれないし、そうであったとしても、数を数えておくに越したことはない。)


*金曜、土曜にドラフトポッドの作成を。

印つきプロダクトは、席についた時点で配布される、ということは、ドラフトポッド分のプロダクトは、予め作成しておかなくてはいけない。準備にどれくらいの時間がかかるかは予測しておこう。土曜日が終わるまで準備の時間はあるが、早めに取り掛かるに越したことはない!
追加で言うなら、いくつのドラフト・セットを作成したかを再度チェックしておくと良い。
いずれにせよ、日曜日の朝までにドラフト・セットの作成は済ませておくことを推奨する。


*ランドステーションの利用

ドラフト・ポッド用のプロダクトを準備する方法の1つとして、2つ分のドラフトセットを1つのランドステーション・ボックスに入れてしまう、というものがある。この方法はわかりやすく、デーブルへ運んでいる間にパックを包んでいる紙が破れてしまうこともない。
更に言うなら、そのランドステーション・ボックスの空箱は、プレイヤーがパックを開封したあとでゴミになる包み紙の回収ボックスにもなるのだ。

(訳注:ランドステーション・ボックスは、リミテッド用に基本土地のみが入った箱のことです。その空箱を再利用するということです。GP名古屋の本番であるかどうかは不明です。)

更に、メイン・イベントのエリアはとても広い。1回目のドラフトでは、それらのエリアからプレイヤーを閉めだして準備を前もって行うことができるが、2回目のドラフトではできるかどうかは疑わしいところだ。前もって箱詰めされたドラフト・セットなら、プレイヤーが席に座った後からでも、ブースターを配布することが可能だ。(これまでやってきたこととは異なりますが)

全ての準備を前もって終わらせることができれば、日曜日の朝に、それぞれのチームが集まって、ブリーフィングや調整を行い、以降のドラフトを円滑に行える。じゃあドラフトをどう行うかって? それは次の記事で。


パート2:ドラフト

多くのプレイヤーは、2日目に行われる「タイムコール付」のドラフトを経験していない。PPTQの決勝ドラフトで経験しているかもしれないが、大人数で一斉に行われる「マス・ドラフト」はそうそう経験していない。言うなれば、彼らは素人であり、説明が必要だ。

説明を行うことは重要だ。プレイヤーを困惑させることなく、参加しているイベントを円滑にし、かつプレイヤーの経験にもなるのだ。もちろん、ジャッジはそれらを調整する必要がある。

*全体的なアナウンス

最高にうまくやろうとすると失敗する(The best is the enemy of the good.)。冗長にならず、要点を押さえた説明を行うこと。

 ・あなたが行う指示の仕方
 ・となりの人が見ているブースターを、見ないように注意する。

いくつか追加してもよい。が、何が必要なのかをよく考えること。まったくもって、説明が長いと、かえって理解してもらえなくなる。

*ドラフト・コール

プレイヤーがカードをシャッフルして、隣にパックを渡すまでの時間をじゅうぶんに取ること。この部分は時間を制限していないし、(これはプレイヤーの技術が試されるものではないからだ)プレイヤーが無作為化を行い、ブースターのカード枚数を数える時間をじゅうぶんに与えるべきだ。

ドラフト・コールを行うのは、テーブルを見渡せる場所だ。何かうまくいっていないテーブルの判断ができるだろう。ドラフト・コールをしている間に、コールを聞いている人に対していくつか修正を行う必要がある。また、フロアを見ていることで、何か問題があって別途コールを行っているテーブルがどこであるかも、判断できるようになるのだ。(後で触れます)


*ブースターの開封

1枚目のカードをピックする前に、プレイヤーへ以下の説明を行う。

・裏向きのままで14枚のカードがあることを数える。
 うち1枚のカードは表裏が逆であるが、これで完璧に正常である。その1枚のカードを他の13枚と同じ向きにしてもらうよう、プレイヤーに言う。

・裏側にインクの汚れがないかを確認する。これは、プレイヤーがそのカードが何であったかわかっている場合、そのカードがピックされることで、色やアーキタイプなどの「傾向」を他のプレイヤーに教えてしまうためである。
 カードには、インクを用いたスタンプが押されている。時々、スタンプが乾ききっていないために、重なったカードの裏面にスタンプが小さく映ってしまう場合がある。

・汚れやマークがあった場合、対処が行われる。
 1)ブースターを取り替える。
  ドラフトされる前に発見できた場合、これを第一に行う。
 2)残りカードをスリーブに入れる。
  1枚以上のカードがすでにドラフトされた後で発見された時のみ、これを行う。

これらの開封手順が終わるまで、ドラフトを行わないこと。全体ドラフト・コールについてこれるテーブルをできる限り多くすることが望ましい。


*FAQ

Q ジャッジ、1枚だけ表裏が逆です。
A 正常です。それを裏向きにして、確認手順を続けて下さい。(14枚あって、裏にマークがないこと)

Q ジャッジ、同じカードが2枚あります。
A フォイルは置き換えられていませんので、うち1枚がフォイルでないかぎり、同じカードは2枚ありません。仮に通常のカードで同じカードが2枚あっても、レアリティー配分が正常である場合、そのまま続けて下さい。 

Q ジャッジ、Zendikar Expedition が出ました。
A フォイルは一切除かれていません。プレイヤーはZendikar Expeditionをドラフトし、デッキに入れて構いません。


*ドラフトを止めるな

ブースターのドラフトが始まったら、(全体的な問題でないかぎり)ドラフトは止めてはいけない。

プロツアーにおいて、修正が必要なテーブルは、1ドラフトあたり3つあった。プロツアーに参加するような経験あるプレイヤーでも、6%の割合でこれは起こる。つまり、GP2日目の場合、割合はもっと大きくなる。テーブルに問題があるたび止めてしまうと、6~10回はドラフトが停止してしまう。それは誰にとっても愉快なことではない。

ではどうすればよいか:
 ・状況を調べる。
 ・状況が直せるようなら直す。もしくは他のジャッジの助けを借りる。必要ならHJに投げる。
 ・問題が解決し、今ドラフトしているカードがあるなら、時間を別にして扱う。
 ・どのポッドが「遅れている」かをジャッジに伝言させる。
 ・カードプール確認時間を利用し、遅れているテーブルを他のテーブルに追いつかせる。

FAQ:

Q ジャッジ、このブースターにカードが足りません!
A まず、問題のプースターで重なっているカードが無いかどうかを確かめる。これはインクのせいでカード同士がくっついてしまっていることがあるからである。その後、全てのプレイヤーがピック済または未ピックの状態にして、それぞれの持っているブースターのカード枚数を数える。
次に、すでにドラフトしたカード枚数を数え、2重にカードをドラフトしているプレイヤーがいないことを確かめる。(開封時に14枚数えている時に、エラーがなく、ジャッジが呼ばれていないことも確かめること)
誰も、2重にカードをドラフトしていないのなら、床やテーブルクロスの間をチェックする。特に、テーブルクロスが重なっているテーブルは、テーブルクロスのすき間も見ること。
以上のチェックのどれにもひっかからなかった場合、ヘッドジャッジを呼ぶこと。

Q ジャッジ、カードが傷ついてマークドになってます!
A ドラフト中のカード捌きによって起こったことです。残りのカードをスリーブに入れてドラフトを続行しましょう。

*デッキリスト、デッキ構築の準備

・ポッドごとのデッキリスト

デッキリストのソート作業は苦痛である。だからこそ、"Index system" はこの手順を大いに助けてくれる。"Index system" について知りたい場合、以下のリンク先を参照すること。

http://blogs.magicjudges.org/articles/2014/05/27/running-the-deck-check-team-2/
http://blogs.magicjudges.org/articles/2014/04/22/the-pod-people/

このシステムを使うことを大いに推奨するよ!

・デッキ構築の座席

ドラフトの席とデッキ構築の席を同じ場所で行うことは、標準的になりつつある。それでも、以下の2つは押さえよう。

1つ目に、テーブル上のゴミを集め終わってから、構築用の席順表を配ることだ。でないと何もかも放り投げられてしまう。

2つ目に、ドラフトテーブル1つに対し、2枚の座席表を配ることだ。(4人で1枚の座席表を見ることになる)1枚だけだと、それを見るためだけに席を立って移動するので、通路が渋滞してしまうからだ。

より多くの人が同時に動こうとすると、留まってしまう人も増える。それゆえに、渋滞を解消するような試みは良いものだ。(あまりそれに尽力することもないが)第一に考えるべきは、混乱を少なくし、プレイヤーに良い経験をしてもらうことだ。


Kevin Desprez.


原文)

http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2016/01/17/the-new-limited-day-2-grand-prix-part1-preparation/
http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2016/01/17/the-new-limited-day-2-grand-prix-part2-running-the-draft/

デッキリストのソート

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GPなどの巨大イベントにおいては、ジャッジは幾つかのチームを形成して作業を行います。その中の1つがデッキチェック・チームです。このチームの役割は、読んで字のごとく、デッキチェックを行うことが主なものです。

最近のGPにおいては、デッキチェック・チームの中でも、「デッキリスト」を専門に扱うチームが割り振られています。人数としては少ないですが、今回はこのデッキリスト・チームの役割について述べます。

*デッキチェック時の行動

あなたがデッキチェック・チームに配属されたジャッジだとしましょう。大抵は2人の組となってデッキチェックを行いますが、その場合、おそらくはこんな動きをするはずです。

  •  デッキチェックを行うテーブルを探す。
  •  そのテーブルのプレイヤー名をメモする。
  •  デッキを取りに行っている間に、もう一人がデッキリストを束から探す。
  •  デッキリストとデッキを照合し、デッキチェックをする。
  •  デッキをプレイヤーに戻し、デッキリストに経過をマークして、リストを束に戻す。

この動きはどのプレミア・イベントでも見られるもので、特に珍しいわけではありません。しかし、この動きが可能になるには、前提として「デッキリストが見つけられる状態になっていること」が必要です。

昨今のGPでは2000人を越えることが普通になりました。もしこの人数のデッキリストが乱雑に並んでいたとしたら、どうやって特定のプレイヤーのデッキリストを見つければ良いのでしょう?
......もちろん、そんなことは無理です。そのために、デッキリストはまずソートされなければなりません。それを行うのが、デッキリスト・チームです。

 
*ソートをするために

デッキリストに関する動きを確認してみましょう。GPでの場合は以下のようになります。

  • プレイヤーがシートオールの掲示に従って着席する。
  • デッキリストを回収する。
  • 回収されたデッキリストを集める。
  • デッキリストのソートを行う。
  • ミッシングリスト(未発見リスト)の調査を行う。
  • デッキリストのカウントを行う。

デッキリスト・チームは、回収されたデッキリストを集め、それらのソートを効率よく行うことが求められます。また、デッキリストの回収については、構築戦とリミテッド戦で回収のやり方が異なります。この点も、デッキリスト・チームは考慮する必要があります。

デッキリストをソートするために、まず準備するべきなのは以下の2つです。

広い作業場所
 後で述べますが、デッキリストをソートために、一度デッキリストの束を数多く作る必要があります。作業のしやすさも考慮すると、とにかく多くのテーブルを確保するべきでしょう。また、それらの作業場所に他の余計な荷物を置くことを避けましょう。

十分な文房具
 色々な表示を書く必要があります。多くのペン、マーカー、デッキリストをまとめるフォルダ、そしてテーブル番号を示すための白紙をたくさん準備しましょう。あとでシートオールを壁に掲示するために、紙テープ(セロテープ)もあればなお良いです。


*ソートの方法

デッキリストをソートする方法は、アルファベット順とテーブル番号順の2つが用いられます。国内GPに限ると、これまでテーブル番号が用いられてきました。「テーブル番号を右上に書いて下さい」というアナウンスは、一度は聞いた&言ったことがあると思います。

テーブル番号を使用してソートする方法は、とにかくわかりやすいのが長所です。なにせ数字順に並べればよいのですから。アルファベット順では、そうそううまくいきません。

以下、テーブル番号でのソートを行うものとして話を続けます。


*「理想的な」動き

デッキチェック・チームの一番大事なことは、当たり前ですがデッキチェックを行うことです。そして、デッキチェックはできれば早くからしたほうが良いです。と、なると、ラウンド1からデッキチェックは開始したいところです。

理想的な動きを示しましょう。

・デッキリスト回収
・デッキリストソート
・ソート完了、未発見リストの処理を完了
 (ここまでR1中)
・デッキチェック開始(R1)
・デッキリストカウント(R2~終了まで)
・D/DLペナルティを出す(~終了まで)

鍵となるのは、デッキリストの回収後にソートを行う際、その作業に割く人数を出来る限りすくなくすることです。ソート作業をする人数をあまりに多くしても、作業が楽になるわけではなく、逆に効率的でなくなります。デッキリスト・チームのみがソートを行うべきでしょう。

*ソート作業

それではソート作業を行いましょう。一例としては以下の様なものが考えられます。

・50枚のデッキリストが収まるように束(山)をつくります。テーブル番号を用いる場合、

 1-25、26-50、51-75、76-100、・・・

というようにテーブル番号に沿ったラベルを作成し、そこにデッキリストを置いていくようにします。

・それとは別に、ソートされていないリストを置く場所を作ります。("non-sorted" とでも表記しましょう)

・2~3人のジャッジでソートを行います。フロアジャッジがデッキリストを持ってきたら、彼らは該当するラベルの場所にそのリストを置きます。その際、ラベル内での順番を気にする必要はありません。例えば、「37番」のテーブル番号が書かれたリストは、「26-50」というラベルの場所に置くことになりますが、そこに「27番」が置かれていても、気にせず上に置いてしまって構いません。テーブル番号が書いていないリストを受け取った場合や、テーブル番号の記載が不明瞭であった場合、さきほどの"non-sorted"の場所において置きます。あとで正しい場所に置きましょう。

大まかにソート作業を終えると、各束には50枚のデッキリストがあるはずです。
この時点で、他のデッキチェック・チームはもうデッキチェックを行えます。ソートは完全にされていませんが、「50枚のうちどこか」にはあるからです。

次は、これらの束についてソートを行います。

・まず束の枚数を数えます。50枚あれば過不足はありません。そして、束の中のリストをテーブル番号順に並べます。50枚なので、それほど難しくはありません。ただ、束の数自体が多いので、テーブル番号別にソートし終わった束は、ラベルに"Sorted"と書いたり、束自体の向きを変えたりして、他のチームメンバーに知らせておく必要があります。

・束の枚数が50枚に見たない場合、その束にはミッシングリスト(未発見のリスト)があります。その束のソートを行ったあと、「束にあるデッキの枚数」「存在しないリストのテーブル番号」をラベルに記載しておきます。例えば、「51-75」のラベルには48枚のリストしか無く、66、72の番号のリストが1枚しかなかった場合、ラベルには「48枚、66、72」と書いておきましょう。この辺りはチームリーダーともよく話しておくべきです。

それぞれの束のソートが終わったら、今度は2,3人の少数のジャッジが、ミッシングリスト(未発見のリスト)の処理を行います。

・SKからシートオールを手に入れましょう。ラウンドが進むと、その時点でのアクティブ・プレイヤーのリストが追加されることがある点に注意しなくてはいけませんが、R1の時点ではシートオールのものしかデッキリストを集めていませんので、この時点で必要となるのはシートオールです。

・先ほど指名したジャッジの数に従い、シートオールの紙を2,3つに分割します。そして、各ジャッジは「ラベルのついた束に置かれていない」デッキリストのテーブル番号、およびプレイヤー名をチェックしていきます。ラベルに書かれた情報(束にある枚数、リストがない番号)は、処理を行うための良い手がかりになるでしょう。

こうして、ミッシングリスト(未発見のリスト)一覧を作成します。そして、これの対処を行います。

・ミッシングリスト(未発見のリスト)の対処は、以下に示すいずれかになります。

 1)欠席:シートオール時に座っておらず、回収も行われていない。
 この場合、その番号のデッキリストは存在しません。プレイヤーが「いない」ことを確認して、ミッシングリスト一覧から抹消しましょう。

 2)ソートされてない:番号が記入されていない、不明瞭などの理由で束に置かれていない。
 "non-sorted" を覚えていますか? その場所を探してみましょう。そこにあったなら、正しいテーブル番号を記入し、該当する束に戻し、ミッシングリスト一覧から抹消しましょう。

 3)未提出:プレイヤーがシートオール時に未提出だった。
 シートオール時に提出を行っていない、事前にTOやスタッフに提出した、会場に落ちていた(!)など、とにかくシートオール時に未提出で "non-sorted" にも無い場合です。この場合、まずはプレイヤーに聞き取りをしましょう。ですが、その前に、よく探してみましょう。あるGPでは、承諾書(ウェイバー)の間に挟まっていた、なんてこともあったようです。最終手段としてデッキチェック時にデッキリストを作成することを行う判断も必要です。デッキリストを回収または作成した時点で、ミッシングリスト一覧から抹消しましょう。

R1が終わるまでに、ミッシングリストの処理は終えるべきです。理想は、ミッシングリスト一覧が無くなっていて、少なくとも提出されたデッキリストは各束にソート済みであることです。


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デッキリスト・ソートに関する話はもう少し続きます。

次回は「スリープインスペシャル」、「構築時のデッキリスト回収ラベル」、「これからのリミテッド戦のシートオール」についてです。

BFZ からのポリシー変更

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BFZがリリースされた、ということはすなわちエルドラージ級のポリシー改訂の時間が来たってことだ! いや冗談だとも。以前の変更ほど大きくはない。ただ、細かい所......手順が変わる。

マジック・オリジンのポリシー改訂の際、〔過剰なカードを引いた〕違反(以下、DEC)に関するポリシーが大きく変更された。あの時点では、この変更がプレイヤーにどのように受け止められるかわからず、このポリシーの適用に関しては慎重になっていた。あの変更から数ヶ月が経ち、プレイヤーからの反応を聞いたところ、嬉しいことに概ね好意的に受け止められていた。そして、DECの処理を他の状況にも広げることにしたのだ。

これからは、プレイヤーがカードを手札に入れた際に、それが適正であることを示さずに公開しなかった状況でも、DECが適用される。これ自体はわかりやすい。追加処置として、違反を犯したプレイヤーは手札を公開し、対戦相手はそのうち1枚を選び、それはライブラリーに切り混ぜられる。注意すべきなのは、他の同様な処置を行った場合も同様ではあるが、***問題となった行動をやり直させない***という点である。

156.jpg

例を出そう。私が《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》の1番目の能力を起動し、ライブラリーの上を見て、カードを手札に入れたとする。もちろんDECなので、私の手札から1枚抜かれてライブラリーに切り混ぜられる。そして、再度ライブラリーの上を見ることはないのだ。(つまり、《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》の能力をもう一度やり直すのではない)

DECのこの変更により、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕違反(以下GRV)における、「選択が適正であるかどうか確認できない」という格上げの項目は、変異を適正にプレイしていない場合の処理を明確に書くようになった。

36.jpgまた、プレイヤーが上からN枚のカードを見る際に、より多くのカードを見てしまった場合にも、DECが適用される。例を出そう。私が《時を越えた探索/Dig Through Time》を唱え、上から7枚みるところを8枚見たとする。さあ、DECの追加措置を使おう、ただし、適用するのはその8枚だけだ! つまり、私はその8枚を公開し、対戦相手はそのうち1枚を選び、それはライブラリーに切り混ぜられる。その後、《時を越えた探索/Dig Through Time》の解決を(残った7枚で)続ける。先の通り、違反分類はDECだ。〔過剰なカードを見た〕違反(以下、LEC)ではない。

この類の判断をする際に、少し注意が必要だ。ライブラリーの上から過剰なカードが何らかの原因により見えてしまった場合、さきほどのDECの追加処置を行う枚数としては数えられない。それはこれまでと同様に、LECだ。特に、占術を行う際によく見られるだろう。占術1を行う際に、2枚目のカードが(事故により)見えてしまったとしても、それは誤って占術時に2枚を見てしまった、ということではない。

51.jpg最後に、よく混同される、「DECと思われるGRV的な違反」と、「GRVと思われるGRV的な違反」についてだ。例を出そう。私が《熟考漂い/Mulldrifter》を、{4}{R}で唱え、カードを2枚引いたとする。私は何の違反にあたるのだろうか? 率直に言うと、どっちの違反であるかは重要ではない。どちらの違反であっても、やること(追加処置)は変わらないのだから。しかし結論は出さねばならない。
これからは、カードを引くことに繋がる全てのGRVは、従来の「巻き戻しを行うかそのまま続行するか」の追加処置を伴ったDECとして扱われる。この変更は、いくつかの誤りによって結果的に多くのカードを引いてしまったプレイヤーへ行う処置の助けになるだろう。たとえ、その誤りが、それ自身によってカードを引くことにつながっていなくても、だ。

さて、これは大きな変更だった。この変更が良い変更であることを......おっと、占術? 占術と言ったね?

166.jpgマジック・オリジンから、占術は常盤木("evergreen")になった。つまり、どんなエキスパンションでも入りうるし、先週から使われるようになった新しいマリガン(バンクーバー・マリガン)でも使われている。そして、これだけに留まらない。公的に使用できる手順省略に踏みきった。私たちは、占術を行うことは選択的である、ということを追加したのだ。もしあなたが占術を行わなかった場合、特に宣言を行わないかぎり、それは「そのままの順番で置いた」とみなされるのだ。これは、ゲーム開始時のマリガンで行う占術にも適用される。
一方、覚えておくことがこれ以上増えないよう、手順省略の一覧から、「攻撃ありません/no attacks」という項目を削除した。これは現実には何も混乱をおこさない、ごく一般的に判断できる物言いだからだ。

その他、特に非英語圏の方々向けに、いくつかの文法的な語句を改訂、または明確になるように語句を新しくした。いくつかの項目には多少の調整が加えられている。それらを挙げよう。

・ジャッジを買収するのは適正ではない。もちろんこれまでもそうだったし、単に改めて記された。対戦相手に20ドル払って、ブロックしないように要請するのが不正であるのと同様に、これもまた不正である。

・リミテッドのデッキリストにおいて、明らかにそれとわかる基本土地の間違いがある場合、ヘッドジャッジはその違反を無視できるという選択が可能になった。あるプレイヤーが白青のデッキで、「沼8枚、島9枚」という記載をしていたとする。ヘッドジャッジは、「ああ、これは明らかに平地8枚の間違いだね。」と言って、そのままにしておくこともできる。一方、誤認する恐れがあるような場合、(例えば、白青タッチ黒のデッキで、「沼8枚、島9枚、平地1枚」)通常と同じように懲罰を適用するべきである。

・〔意思疎通規定抵触行為〕により巻き戻しを考慮する場合、不正確な情報に基づいた行動を巻き戻す。もともとあった質問の時点まで戻すことはない。

・無くしてしまったカードの交換の対処方法と、区別の付くカードの交換の対処方法が一致しないことについて、たくさんの、非常にたくさんの方々から指摘を受けた。もうこんなことはしない。区別の付くカードを基本土地に交換し、後から適正なカードを見つけた場合、そのカードに入れ替えても良くなった。

・先週末はみんな大喜びしながら、MTRに違反していた。MTRに従うなら、『ゼンディカー探検』のカードはプレリリースで使えないのだ。もっと言うなら、プレリリースに配られたプロモ・カードに《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》があるので、それを先週末のレガシー構築戦に使用できたのだ。(しかも、プロモ・カード版のみだ!) つまりヴィンテージとレガシーにおいて、これから先におこる混乱を避けるために、この部分のMTRを改稿することにした。プロモ・カードは全部同列の扱いになる。ヴィンテージとレガシーでは、発売されたエキスパンションと、特殊セット(FtVや統率者戦など)、それに加えて、ブック・プロモ(《Sewers of Estark》、《Mana Crypt》、《Windseeker Centaur》、《ナラスニ・ドラゴン/Nalathni Dragon》)が使える。
活目すべき点が2つある。《Mana Crypt》はやはりレガシーでは使えない。レガシーの禁止カードリストにもきちんとその旨を明記している。そして、《1996 World Champion》はヴィンテージで(明確に)使用禁止になった。パワー・レベル・エラータを出すよりかはマシな変更だと思う。

・ルール適用度における項目をMTRに移動したので、プレミア・プログラムのルール適用度が書かれている付録についても、IPGからMTRに移動した。

これで全部だ! 嚥下すべき事柄は多いが、新しいDECについて学ぶなら、今回の変更から見るべき点は多い。アイデアと提案を頂いた各位に感謝する。全ての人を挙げることはできないけど、Matthew Johnson, Sean Hunt, Antonio Jose Rodriguez Jimenez, Jeff Morrow, Matteo Callegari, Daniel Kitachewsky, Will Anderson, そして Bryan Prillaman に感謝を。 特に Bryan を始めとした Annotated IPG チームには色々お世話になった。

では、この変更に関する反応を探しつつ、次のOGWの更新では、変更が最小限になることを祈って。

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原文: http://blogs.magicjudges.org/telliott/2015/09/28/bfz-policy-changes/